氷河期から今日まで続く厳選採用
バブル期と比べて氷河期がどれほど大卒にとって就職しにくい状況だったのか。リクルートワークス研究所が発表する大卒の有効求人倍率を見ると、これが数字というかたちで客観的に分かります。
ただ、こういった数字には表れないものがあるのではないかと私は思います。
私が就職ガイダンス等でよく聞かされたことは、バブル期と違い、氷河期には企業は「厳選採用」を行うようになったということでした。つまり、バブル期の企業は「今年は○○人採用する」という方針を固めると、時に採用基準を下げてまで○○人集めたと聞きます。しかし氷河期の企業は、採用基準を満たす人材が見つからなければ、たとえ採用人数が予定数を満たさなくても、それで募集を打ち切ったというのです。
このことが事実だとすると、氷河期の大卒は、バブル期のそれよりも、有効求人倍率で単純で比較するよりも、さらに就職が厳しかったことになります。
企業の採用基準に関するこうした傾向については、現在も続いていると新聞報道等で目にするのですが、本当でしょうか。もしそうだとすると、仮に私が氷河期ではなく今日の売り手市場で新規大卒として就職活動をしていたとしても、きっとどこにも採用されなかったに違いありません。いくら景気が良くなって求人が増えても、本人にコミュニケーション能力がないなどの人材としての問題があれば、就職は難しいでしょう。
一般企業では勤まらない人
私が大学に入学して間もない頃、ある若い先生(助教授)が私たちにこう話されたのを覚えています。もっとも、この先生は、本気でこうおっしゃったのか、それとも冗談でこうおっしゃったのか、そのあたりのところは分かりません。
学生の中にも、「一般企業でやっていけない変わった人が、大学の教員になる」という、とんでもないことを冗談めかして言う人がいました。もっとも、逆に一般企業では通用しても、高度な専門知識が要求される大学教員はとても勤めらないという人は、ごまんといそうです。
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私が子供の頃から漠然と感じていたのは、大人の中には、一般企業では勤まらないタイプの人がいるのではないかということでした。実際、私の親類の中にはそう言われていた人が多数いました。一般企業の社員として勤めきることができた人は、私の親類には実に少ないです。今で言うニートになった人も何人かいました。
かく言う私も、子どもの頃から、親を含む多くの人から、一般企業ではやっていけないタイプだと言われ続けてきました。性格があまりに大人しすぎるからだそうです。
もっとも、中には、「君のような若者は、どこに行っても通用する」とおっしゃってくださる方も、何人かいらっしゃいました。性格が真面目そうだからだそうです。
アンダークラス論:貧困は本人のせい?

http://ci.nii.ac.jp/naid/110004628555/
(CiNii は国立情報学研究所のサービスです)
「アンダークラス」という概念は、もともとは、経済学者・Gunnar Myrdal の1963年の著書 Challenge to Affluence(邦訳書『豊かさへの挑戦』)の中で初めて使われた欧米の概念で、平たく言えば、貧困層のことです。当初は、アンダークラスが生み出されるに至った社会的背景への注意を喚起する目的で使われた概念でした。
しかし、その後、アンダークラスの概念は変わっていきます。Charles Murray 氏などにより、アンダークラスという概念は、次第に当事者たちの行動様式のあり方を強調するものに変わっていきました。
分かりやすく言えば、もともとは社会が原因で貧困になる人たち、という意味だったのに、怠惰や非行といった本人たちが原因で貧困から抜け出せない人たち、という意味に変わっていったといったところでしょうか。
フリーターの増加の要因は若者自身にある(若者の意欲や能力の低下など)と考えるべきなのか、それとも社会の方にある(経済構造の変化など)と考えるべきなのか。上の論文の著者は後者の立場をとり、フリーターをアンダークラス概念と対比させ、その言説にともなう問題を示しています。
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フリーターとアンダークラスの共通点に着目しているところが、この論文の面白いところだと思います。著者は、フリーターを「日本版 "アンダークラス"」と表現しています。
とすると、ニートやひきこもりも、「日本版 "アンダークラス"」と考えてみるのはどうでしょうか。ニートやひきこもりは、フリーター以上に、本人に原因があるという見方が一般的ではないかと思います。「就職氷河期には、正社員の求人そのものが少なかったから、フリーターにならざるを得ない若者が増えたのは仕方がない。しかし、ニート、ひきこもりは求職活動すらしておらず、フリーターと違って仕事への意欲がない。仕事をえり好みしている者もいるのではないか」といったところです。
そうしたニート論、ひきこもり論の当否については、ここでは私は何も書きません。ただ一つ言える事は、学者など第三者は、ニート、ひきこもり増加の原因を社会に求めるのは自由ですが、ニート、ひきこもり本人がそうすることはできないということです。
ニートひきこもりのゴールデンウィーク
少なくとも私について言えば、だいたいその通りです。
ただ、もう少し付け加えると、実は全く関係ないということはありません。確かに私は通勤・通学の必要はなく、その意味では年中休日です。しかし、平日仕事に出ている親はそうではありません。親はこの連休中は家で過ごす時間が多くなります。そのため私は、親と同じ屋根の下で過ごす時間が多くなるわけです。
親が家にいると緊張して落ち着きません。仕事に出ていてくれた方が自分はリラックスできる、などと考えてしまうこともありますが、これは思い上がりです。私などよりも、一家の生計を立てている親の方こそ家で自由に過ごす優先的な権利があるというものです。
とにかくそういうわけで、ニート、ひきこもりの私にとっても、ゴールデンウィークは少し特別な期間です。
などと私のことを書きましたが、親の方は、この連休中私と過ごす時間が増えることについてどう考えているのでしょうか。そういえば、この前、連休中に一緒に山に桜を見に行かないかと誘われました。私の住む地域のある山地に桜の名所があるのですが、自分で山道を運転をする自信はないから、私に代わりに運転して欲しいということでした。私も運転に自信がないので、断ったのですが。
全国のニート、ひきこもりの人がいる家庭では、ゴールデンウィークはどういう様子なのでしょうか。
※ 昨年の8月にも、全く同じタイトルの記事を書いていました。書いた本人が忘れていました。
「ニートひきこもりのゴールデンウィーク」
「拍手」が多い記事(過去30日)
ひきこもりデイケアの3月 10
ニートひきこもりが見る夢 8
場面緘黙症(選択性緘黙)を知って 7
タレントは友達代わりになるのか 6
ニートの経済学的再検討 5
「拍手」が多い記事(過去30日) 5
社会適応のためにカラオケ(前編) 5
「動物の世界なら生きていけない」 5
逆に、最近公開したにもかかわらず、「拍手」数が少なかったエントリーです。
正規労働者と非正規労働者の賃金格差について 2
各エントリーにどれだけの拍手をいただけるかは、私には簡単に予想できません。例えば、「場面緘黙症(選択性緘黙)を知って」ですが、これはニートともひきこもりとも直接関係ないエントリーなので、拍手数は期待できないと踏んでいました。ですが、7拍手をいただき、堂々3位に入りました。
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昔に書いたものですが、「拍手」をいただいたエントリーです。ただし、「アクセス、反響を頂いた記事」にリストされている記事は除きました。
中年ニート2〜働かない中高年の増加が示唆するもの 1
目次(2006年1月分) 1
荒川静香選手とニート 1
ひきこもり、海外に脱出する 1
たくさんの拍手、ありがとうございました。今後の参考にします。






