ゲームが一因で、若者が働かなくなった?(米)

ゲーム技術の進歩で、余暇の価値が上がった?


ゲームが一因で、若者が働かなくなっているのではないかーー

アメリカでは、こんな話があるそうです。

↓ 『ウォールストリートジャーナル』日本語版へのリンク。
◇ ゲームに没頭で無職、米の若い男性に増加 (新しいウィンドウで開く

↓ ワーキングペーパー。全米経済研究所へのリンク。英文。
◇ Leisure Luxuries and the Labor Supply of Young Men (新しいウィンドウで開く

↓ Chicago Booth Review という、シカゴ大学ブース・ビジネス・スクール関係のウェブサイトへのリンク。英文。
◇ Video killed the radio star (新しいウィンドウで開く

アメリカでは、男性の非熟練労働者の就業率が特に減少しています。一方で、同じ層がゲームをする時間は多いです。

非熟練労働者は、働いてもあまり所得は得られません。少ない所得から消費をしても、あまり満足度は得られません。一方、現代のゲームは質が向上していて、余暇にゲームをして過ごすことから得られる満足度は高くなっているものと思われます。この2つの満足度を比べ、働かずにゲームをするという選択をする者が多くなったのではないかということのようです。

「留保賃金」という用語が、経済学にあります。この賃金なら働いてもよいという賃金水準のことです。ゲームなど余暇を楽しめるテクノロジーが、この留保賃金を引き上げたのではないかという趣旨の説明もなされています。

これは実に経済学的な考え方で、大学で経済学を先行した私にとっては興味深く思われます。ただ、この説の真偽は私には分かりません。

私の場合、無業生活が下手に根付くと、就労の際に未練も


アメリカの話は置いておいて、私個人の話をしましょう。引きこもりなど長期無業状態に陥り、その生活が根付いてしまうと、就労をする段になるとこれまでの生活に未練のような感情が起こってしまうことがあります。

例えば、引きこもりながらもブログを書き続け、そこで一定のアクセス数を得たり、人とのつながりができたりしたとしましょう。ですが、いざ働こうとすると、ブログの更新が滞る可能性が出てきます。これまでのブログ運営で得たものを失ってしまうかもしれないのです。そこで、後ろ髪引かれるような感情になってしまうのです。

無業のままブログを続けるよりも就労した方がいいに決まっていると頭では分かっています。ですが、感情が必ずしもついていきません。

「無業生活には何もなかった、自分に失うものは何もない」という方が、私の性格の場合、就労を考えるには踏ん切りがつきやすいような気がします。アメリカでゲームに時間を費やす無業者の中には、こういう人も中にはいるかもしれないと思いましたが、根拠は全くありません。

ただ、私の場合、ブログに未練を感じつつも、それを理由に就労しないという選択をするまでには、まだ至っていません。ですので、「そうか!じゃあ富条さんが就労できるように、このブログの読者をやめよう!」と考えていただかなくても大丈夫です。

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NEET の E は Education が先

Not in Education, Employment or Training


ニートという用語は、英語の NEET が由来です。それでは NEET は何の略かというと、Not in Education, Employment or Training という説明が最も多いです。教育、雇用、職業訓練、いずれにも参加していないということです。

ところが、時に違った説明を目にすることもあります。NEET は Not in Employment, Education or Training の略だというのです。Employment(雇用)と Education(教育)の順序が逆になり、Employment(雇用)が先となっています。どちらが正しいのでしょう。

NEET という用語の初出とされるイギリスの社会的排除防止局の報告書 Bridging the Gap では、Education(教育)が先です。ですから、もともとはこちらが正しかったということになります。

◇ Bridging the gap : new opportunities for 16-18 year olds not in education, employment or training, presented to Parliament by the Prime Minister
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日本でニートというと、雇用に注目が集まってきた


10年以上前、ある日本の専門家がブログの中で、この件について書いていたことを覚えています。それによると、Education が先なのは、それだけイギリスの NEET 問題では、教育が注目されているからとのことでした。ただし、もう無くなったブログのようで、私のうろ覚えの記憶によるお話です。

日本でニートというと、雇用面に特に注目が集まってきました。「働いていない若者」がニートのイメージに近いです。この違いの原因は様々でしょうが、その一つはニートの年齢層にあるのではないかと私は見ています。

先のイギリスの報告書 Bridging the Gap では、NEET は16歳から18歳までと区切られています。日本で言えば高校に通う者が多い年齢層です。一方、日本版ニートの年齢の区切りは、15歳から34歳までとされてきました。最近では年齢が高いニートが注目されているのか、最新の「子供・若者白書」では「若年無業者」(ニート)の年齢が39歳までと上限が上がっています。どちらの年齢層にしても、通学よりも就労している者の方が多いです。

こういう背景を考えると、Not in Employment... と雇用を先にしたくなるのは、特に日本では分かるような気もします。

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若者の3分の2が失業している国

世界各国の経済指標をまとめたホームページを見つけました。失業率など労働関係の指標もあります。以下は、TheGlobalEconomy.com という海外サイトへのリンクです。

労働経済指標


◇ 完全失業率 Unemployment rate (新しいウィンドウで開く

◇ 15~24歳の完全失業率 Youth unemployment (新しいウィンドウで開く

「完全失業率」は、就業しておらず、仕事があればすぐ就くことができ、職探しをしている者の、15歳以上人口に占める割合です。

◇ 労働力率 Labor force participation (新しいウィンドウで開く

「労働力率」は、15歳以上人口に占める労働力人口の割合です。労働力人口は、就業者数と完全失業者を合わせたものです。

◇ 従属人口指数 Age dependency ratio (新しいウィンドウで開く

「従属人口指数」は、全人口における従属人口の割合です。従属人口とは、15歳未満人口と65歳以上人口を合わせたものです。なお、15歳から65歳未満の人口は、生産年齢人口と言います。

生産年齢人口の中にも、教育、雇用、職業訓練のいずれにも参加していない者がいます。そのうち若い年齢層は NEET と呼ばれます。

一概に比較できないだろうけど……


国によって背景が違うので一概に比較はできないだろうとは思いながらも、労働に関わる経済指標が、国によって思っていた以上に大きな違いがあることを知り、今更ながら驚かされました。

例えば、ボスニア・ヘルツェゴビナでは、15~24歳の失業率が68%もあります。OECD 加盟国のスイスでも50%を超えています。そうかと思えば、カンボジアでは0.44%しかありません。世界は広いです。

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