NEET の E は Education が先

Not in Education, Employment or Training


ニートという用語は、英語の NEET が由来です。それでは NEET は何の略かというと、Not in Education, Employment or Training という説明が最も多いです。教育、雇用、職業訓練、いずれにも参加していないということです。

ところが、時に違った説明を目にすることもあります。NEET は Not in Employment, Education or Training の略だというのです。Employment(雇用)と Education(教育)の順序が逆になり、Employment(雇用)が先となっています。どちらが正しいのでしょう。

NEET という用語の初出とされるイギリスの社会的排除防止局の報告書 Bridging the Gap では、Education(教育)が先です。ですから、もともとはこちらが正しかったということになります。

◇ Bridging the gap : new opportunities for 16-18 year olds not in education, employment or training, presented to Parliament by the Prime Minister
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日本でニートというと、雇用に注目が集まってきた


10年以上前、ある日本の専門家がブログの中で、この件について書いていたことを覚えています。それによると、Education が先なのは、それだけイギリスの NEET 問題では、教育が注目されているからとのことでした。ただし、もう無くなったブログのようで、私のうろ覚えの記憶によるお話です。

日本でニートというと、雇用面に特に注目が集まってきました。「働いていない若者」がニートのイメージに近いです。この違いの原因は様々でしょうが、その一つはニートの年齢層にあるのではないかと私は見ています。

先のイギリスの報告書 Bridging the Gap では、NEET は16歳から18歳までと区切られています。日本で言えば高校に通う者が多い年齢層です。一方、日本版ニートの年齢の区切りは、15歳から34歳までとされてきました。最近では年齢が高いニートが注目されているのか、最新の「子供・若者白書」では「若年無業者」(ニート)の年齢が39歳までと上限が上がっています。どちらの年齢層にしても、通学よりも就労している者の方が多いです。

こういう背景を考えると、Not in Employment... と雇用を先にしたくなるのは、特に日本では分かるような気もします。

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若者の3分の2が失業している国

世界各国の経済指標をまとめたホームページを見つけました。失業率など労働関係の指標もあります。以下は、TheGlobalEconomy.com という海外サイトへのリンクです。

労働経済指標


◇ 完全失業率 Unemployment rate (新しいウィンドウで開く

◇ 15~24歳の完全失業率 Youth unemployment (新しいウィンドウで開く

「完全失業率」は、就業しておらず、仕事があればすぐ就くことができ、職探しをしている者の、15歳以上人口に占める割合です。

◇ 労働力率 Labor force participation (新しいウィンドウで開く

「労働力率」は、15歳以上人口に占める労働力人口の割合です。労働力人口は、就業者数と完全失業者を合わせたものです。

◇ 従属人口指数 Age dependency ratio (新しいウィンドウで開く

「従属人口指数」は、全人口における従属人口の割合です。従属人口とは、15歳未満人口と65歳以上人口を合わせたものです。なお、15歳から65歳未満の人口は、生産年齢人口と言います。

生産年齢人口の中にも、教育、雇用、職業訓練のいずれにも参加していない者がいます。そのうち若い年齢層は NEET と呼ばれます。

一概に比較できないだろうけど……


国によって背景が違うので一概に比較はできないだろうとは思いながらも、労働に関わる経済指標が、国によって思っていた以上に大きな違いがあることを知り、今更ながら驚かされました。

例えば、ボスニア・ヘルツェゴビナでは、15~24歳の失業率が68%もあります。OECD 加盟国のスイスでも50%を超えています。そうかと思えば、カンボジアでは0.44%しかありません。世界は広いです。

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解決志向アプローチ

5年後、どうなっていたいと考える?


「富条さんは5年後、自分がどうなっていたいと考えていますか。この紙に書いてみてください」

ニート等の若者を支援する施設「地域若者サポートステーション」(サポステ)に通っていた頃、キャリアカウンセラーとの面接で、こんなことを言われたことがあります。これに対して、私は戸惑いながら次のように答えました。

「私は5年後、正規の仕事に就いて、その後も離職することなく安定した職業生活を送ることができればと思っています。ですが、私は長期引きこもりを経験し、この年齢にまでなってしまいました。私が今さら正規の仕事に就くのは難しいだろうと思います。これは書かない方がよいのだろうかとも思うのですが……」

ところが、キャリアカウンセラーは構わないから書けとおっしゃいます。そこで、その通りに書いてみたのでした。それにしても、なぜこんな質問をキャリアカウンセラーはしたのだろうか、こんな実現可能性が低そうな将来を書いて意味があるのだろうかと、私には不思議に思いました。

解決志向アプローチ


それが先日、ひょんなことから、これはもしや「解決志向アプローチ」だったのではないかという、一つの解釈を持つに至りました。

↓ 目白大学の黒沢幸子教授による解説です。PDF。2.92MB。母子保健指導者養成研修会ホームページ内の資料。
◇ 解決志向型アプローチ (新しいウィンドウで開く

※ PDFを閲覧するには Adobe Reader が必要です。こちら新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

このキャリアカウンセラーが行ったのは、「ミラクル・クエスチョン」や「タイムマシン・クエスチョン」の変形だったのかもしれません。つまり、もし私が眠っている間に奇跡が起きたら明日どういう一日になっているか。あるいは、タイムマシンに乗って5年後の未来の自分を見たら自分は何をしているか。それを、形を変えて問うたのかもしれません。

こういう質問方法だけでなく、このキャリアカウンセラーは、私が抱える問題やその原因よりも、たとえ小さなことでも、これまでに私ができたことに注目する方でした。これは、解決志向アプローチの基本的考え方に通じるものがあります。

つまり、私が望む未来イメージに向かって目標を設定し、私ができたことや、できることに焦点を当てて解決を図るわけです。

サポステの支援期間は、原則6ヶ月でした(当時の話です。現在は知りません)。解決志向アプローチは短期間で解決に持っていく「ブリーフセラピー」と呼ばれるものだそうで、短期間でしか支援が行えないサポステには合っていたのかもしれません。

そういえば、あの質問から何年経ったのでしょう。そして、現在の私は……?

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