サポステ事業の変遷

サポステの目標や志向性の変遷


ニート等の若者を支援する全国施設「地域若者サポートステーション」(サポステ)の変遷を整理した研究論文を見つけました。

↓ 「つくばリポジトリ」へのリンクです。PDF。1.21MB。
小山田建太 (2017). 社会資源としての地域若者サポートステーションの検討-事業の変遷に見るワークフェアの理念-. 筑波大学教育学系論集. 41(2), 63-75.
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サポステ事業の実施要綱から、その目標や志向性の変遷に注目しています。こうした変遷には「ワークフェア」の様相が顕在化しつつあると著者は指摘しています。

ワークフェアとは、「社会から排除された人々に対し、教育や訓練を通じて雇用可能性や社会参加可能性を高めることで、包摂を図ろうとする政策理念」のことだそうです(仁平, 2015, p176)。ワークフェアというと、教育や訓練を受ければ給付を行なうものというのが私の理解ですが、サポステは給付までは行なっていません。

変わるサポステ


「まとめと考察」に見える著者の主張には賛否もあるかもしれませんが、サポステの移り変わりが分かる論文で、勉強になります。現在のサポステが目指すところは、私が通っていた頃とはやはり違っているようです。

今は、雇用保険被保険者資格を取得し得る就職者数が目標とされています。昔は進学や職業訓練、もっと短期の労働も目標に含めていました。

「生活保護リスクの未然防止」「自立支援」


論文によると、サポステの2015年度(平成27年度)実施要綱には「これら若年無業者等の就労を支援することは、(中略)将来生活保護に陥るリスクを未然に防止し、経済的に自立させ……」とあるそうです。なるほど、ワークフェア的かもしれません。独自に調べたところ、私が確認できた範囲では最も新しい2016年度版も同様でした(平成28年度地域若者サポートステーション事業実施要綱, n.d.)。

「生活保護リスクの未然防止」「自立支援」といえば、2015年度に始まった生活困窮者自立支援制度も、まさにそうです。生活困窮者自立支援制度は引きこもり者も対象に含めています。これもワークフェアなのか、それとも「アクティベーション」なのかは分からないのですが、上のサポステの話と通じるものがあるようにも思えます。

↓ 「ワークフェア」と似た概念に「アクティベーション」があります。以下のリンクでは、その違いが明快に説明されています。社会福祉士の方のブログへのリンクです。
◇ ワークフェア/アクティベーション (新しいウィンドウで開く

関連ページ


↓ 厚生労働省ホームページへのリンク。PDF。1.86MB。
◇ 生活困窮者自立支援制度について (新しいウィンドウで開く

文献


◇ 仁平典宏 (2015). 〈教育〉化する社会保障と社会的排除. 教育社会学研究. 96, 175-196.
◇ 平成28年度地域若者サポートステーション事業実施要綱 (n.d.). http://kanagawa-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0116/4674/201683194718.pdf 最終アクセス2017年5月12日.

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サポステは写真好き?

サポステに写真撮られた


ニート支援者に写真を撮られ、ホームページに掲載されたことがあります。

私がニート等の自立を支援する全国施設「地域若者サポートステーション」(サポステ)に通っていたときのことです。就労支援プログラムを受けている最中、パシャッとやられました。けっこう何度も撮られ、その写真の一部は、ホームページや関係者などを対象とした資料に使われました。

掲載の際はもちろん本人が誰かが分からないように加工されるわけですが、できれば撮ってほしくないなと思ったものです。最近私はこのサポステには通っていないので、現在でもこのようなことが行なわれているかは分かりません。

サポステのHPやブログ、写真が多いような


サポステのホームページやブログを見ると、写真が多いと感じます。施設の写真はもちろん、場合によってはスタッフ、そして利用者の写真まで掲載されていることがあります(サポステとは無関係の、市販の写真素材が利用されている場合も多いです)。

もっとも、全国およそ160箇所あるサポステは施設によって差があり、写真の取り扱いも、多いところもあれば少ないところもあって様々です。ただ、サポステと利用者層が重なると思われる「精神保健福祉センター」や、同センターに設置されることが多い「ひきこもり地域支援センター」のホームページと比べると、全体的に写真が多いです。

サポステ利用を考えている人の不安をやわらげるか、いや逆か


最近ふと思ったのですが、こうした写真が公開されることは、サポステの利用を考えている人にとっては、不安をやわらげる材料になるかもしれません。ステレオタイプなイメージかもしれませんが、特にサポステを利用するようなニート、ひきこもりの人たちは社交不安のような傾向がある人が少なくないような気がします。こうした不安の強い人にとって、事前に写真で支援を受けるイメージがつかめるというのは、不安を若干やわらげ、一歩踏み出すためのプラスの材料になるかもしれません。

そう考えると、私が写真を撮られ、ホームページに掲載されたのは、悪いことばかりでもないように思えてきます。

もっとも、サポステによっては利用者の写真を加工してブログなどに載せる場合があり、そうしたサポステだと、サポステに入ったら写真を撮られるかもしれないという別の不安は生まれるかもしれません。どちらがよいのでしょうか。

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「サポステ利用者の実像:支援者への調査から」

独立行政法人労働政策研究・研修機構のウェブサイトで今年5月27日、「大学等中退者の就労と意識に関する研究」が公開されました。この中には、厚生労働省委託の全国的なニート支援施設「地域若者サポートステーション」(サポステ)に来所した中途退学者の実態調査も行なわれています。

それはそれで興味深いのですが、私の目を引いたのは、学校中退者に関する研究なのに、「補論」として、サポステ利用者の全体像(学校中退者以外の利用者も含む)を10ページ以上にわたって明らかにしていることです。

サポステ利用者の実態をこれだけ詳らかに明らかにしたものは、初めて見ました。調査対象にしても、全国のすべてのサポステにおいて、利用登録時期が2012年10月~12月であったすべての利用者のうち、中学・高校在学中の者等を除外した5,625名と、規模が大きいです。一般公開されている情報としては貴重なものかもしれないので、ご紹介します。

◇ 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 トップページ (新しいウィンドウで開く

◇ そのうち堀有喜衣、小杉礼子、喜始照宣「大学等中退者の就労と意識に関する研究」 (新しいウィンドウで開く

◇ そのうち「補論:サポステ利用者の実像:支援者への調査から」 (新しいウィンドウで開く)←PDF。881KB。

※ なお、PDFを閲覧するには Adobe Reader が必要です。こちら新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

サポステには私もかつて通いましたが、利用者のレベルというのは初耳でした。少なくとも私が通ったサポステでは、スタッフ間のみの内部情報のような扱いだったのかもしれません(それとも、当時はレベル分けは行われていなかったか)。

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