多様な働き方ができるようになると、働く人が増える

労働力率(労働参加率)は、15歳以上人口のうち、働いている人と、完全失業者の数(労働力人口)を、15歳以上人口で割ったものです。

仮に日本の労働力率が60%だとしたら、残りの40%の人は無業で、しかも職探しをしていないか、仕事があってもすぐには就けない状態にあることになります。そうした人たちは老後に入って年金生活をしていたり、通学をしていたり、家事をしていたりするかもしれません。ニートやひきこもりの人もいるでしょう。

■ 多様な働き方が生まれると、労働力率は上がりやすくなる

特に女性や高齢者がそうなのですが、派遣やパートタイマーなど多様な働き方が生まれると、それだけ労働力率は増加しやすくなると考えられます。仕事に就きやすくなるわけです。

実際、2006年の女性の労働力率は、2000年の水準に比べると上昇しているのですが、そのうち 30代後半以降の女性には非正規労働者等の割合が大きいことが、平成19年度の『経済財政白書』で指摘されています。[注] 雇用形態の多様化が、女性の労働力率増加の背景にあるのかもしれません。

このことをもって、非正規雇用の増加は悪いことではないと主張する人もいるでしょうが、いや、そうでないという人もいるでしょう。また、たとえ労働力率が高くても、その多くが非正規雇用なら良くないと考える人もいるでしょうし、いや、そうでないと考える人もいるでしょう。

■ 多様な働き方とニート、ひきこもり

今より多様な雇用機会が創出されると、ニートの数も減少するのではないかという期待も沸いてくるかもしれません。在宅での仕事が珍しいことではなくなると、ひきこもりの人でも働くチャンスが増えるのではないかという期待も沸いてくるかもしれません。ですが、甘い期待だろうと思います。

ただ、現在でも「フリーター」という働き方が多少認められているために(といっても、否定的に考えている人の方が多いでしょうが)、ニート、ひきこもりの人は、とりあえずアルバイトという形で社会参加しやすくなっている面はあるのではないかとは思います。私が参加しているひきこもりデイケアのメンバーを見ていると、そう思います。

[注] 内閣府編『平成19年度年次経済財政報告』、2007年、
http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je07/07b03010.html#312
[最終アクセス2008年6月4日]

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