ニートになる人、ニートでなくなる人

ニートというと、ずっと働きもしなければ学びもしない若者を連想する方がいらっしゃるかもしれません。確かにそういう若者もいますが、必ずしもそれが全てはありません。

ニート状態にある若者の8割近くが「連続一か月以上就労した経験」があるという調査結果もあります(厚生労働省、2007)。働いたことのある方がニート化することがあるのです。その一方で、ニート状態から脱して働いたこともあるという方もいらっしゃいます。私自身そうですし、また、そうした方を何人も見てきました。

このように、ニートはいつまでも無業状態にとどまり続ける若者ばかりとは限りません。ニートにも出入りがあるわけです。次のように考えることができます。

現在のニート人口=(以前からニート状態にとどまり続けている若者)+ (新たにニートになった若者)-(新たにニートでなくなった若者)

労働市場のフロー分析


このような、雇用・失業の変動を分析する「労働市場のフロー分析」というものが行われています。失業者数や失業率の変動の要因を探るのに不可欠で、近年、欧米諸国で行われているようです。新聞で読んでにわかに得た知識でした(宮本、2013年11月25日)。

主に欧米で雇用・失業問題を分析するのに用いられているこの分析方法を、日本のニート人口の変動の分析に導入することはできないのか、導入できたらどのようなことが分かるのだろうかと思います。

私の勘ピューターですが、おそらくニートは非正規労働者と部分的に重なっていて、ニートと非正規の間を行ったり来たりする層が世間一般で考えられている以上にいるのではないかと思います。冒頭でお話した「連続一か月以上就労した経験」があるというニートの若者の就労経験には、熟練を要しないアルバイト就労が目立ったそうです(厚生労働省、2007)。

[文献]

◇ 厚生労働省(2007)「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/06/h0628-1.html

◇ 宮本弘暁(2013年11月25日)「やさしい経済学 雇用を考える 賃上げと失業7」『日本経済新聞』21面。

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