ニート引きこもりJournal

(元)当事者のブログ。2005年より。

中年ニートの実情

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働かない若者が増えていると言われていますが、実は働かない中高年も増えているのではないかと、私は2006年1月12日の記事で指摘しました。(「中年ニート1 ~衝撃!働かない中高年も増えている!? 」を参照)

ここで、新発見がありました。内閣府では早くも昨年から、急増する中年ニートの問題を指摘する報告がまとめられていたのです。

2005年7月にまとめられた「青少年の就労に関する研究調査」の第II部第1章に、「付論 中年無業者の実情」があります。この中で、「就職希望を表明していない『中年ニート』化も進行している」と、はっきり書かれてあるのです。

しかも、その内容は非常にショッキングなものです。「数の上では『中年失業』よりも『中年ニート』のほうがより大きな問題となっている」など、現在の失業対策の根幹を揺るがすようなことが書かれてあります。

こんな大事なことが、どうして大きくとりざたされないのか、私は不思議でなりません。意図的な情報操作があるのではとも勘ぐってしまいます。報告書をまとめた玄田有史氏は、そのあたりのところをどうお考えなのでしょうか。

■ 中年ニートの実情(ポイント)

先述の「付論 中年無業者の実情」はネットでもご覧になることができるのですが、その内容をここで噛み砕いてご紹介したいと思います。まず、ポイントは以下の通りです。

1 中年ニート数は2002年で48.6万人。1997年に比べて急増している。
2 非求職型は「病気・けがのため」に働かない者が抜きん出て多いが、そのほとんどは以前職に就いていた。
3 非希望型は、過去に就業経験がない者の割合が高い。
4 中卒・高卒が多い
5 低所得層が多い
6 若年無業者と特徴が似ている

* * * * * * * * * *

■ 中年ニートとは

まずは、内閣府が示す「中年ニート」の定義を見ることにします。

上記の「付論 中年無業者の実情」には、次のような記述があります。「これまで見てきた『無業者』という定義はそのままに、年齢を15~34歳から35~49歳に変更し、無業である中高年の実情に迫ってみたい。」

ここで、「無業者」の定義を確認しておきます。

表1 無業者とその類型についての定義(「非求職型」と「非希望型」がニートに相当)
呼び方定義
無業者(通学、有配偶者を除く)高校や大学などに通学しておらず、独身者であり、ふだん収入になる仕事をしていない、15歳以上34歳以下の個人(予備校や専門学校などに通学している場合も除く)
求職型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明し、求職活動をしている個人
非求職型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明しながら、求職活動はしていない個人
非希望型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明していない個人
(内閣府『H17青少年の就労に関する研究調査』表2-1-1「無業者とその類型についての定義」より作成)

この「15~34歳」を「35~49歳」に変更するだけというのですから、簡単です。中年無業者と中年ニートの定義は、以下の通りになります。

表2 中年無業者とその類型についての定義(「非求職型」と「非希望型」がニートに相当)
呼び方定義
無業者(通学、有配偶者を除く)高校や大学などに通学しておらず、独身者であり、ふだん収入になる仕事をしていない、35歳以上49歳以下の個人(予備校や専門学校などに通学している場合も除く)
求職型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明し、求職活動をしている個人
非求職型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明しながら、求職活動はしていない個人
非希望型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明していない個人
(内閣府『H17青少年の就労に関する研究調査』表2-1-1「無業者とその類型についての定義」より作成)

若年ニートと比べると、年齢層が狭いです。若年ニートの場合、15~34歳なので年齢層は20年にわたりますが、中年ニートの場合、35~50歳で、年齢層は15年です。

「独身者」という限定は、そのままになっています。つまり、求職活動を行っていない35~50歳であっても、既婚者であれば中年ニートには含まれないわけです。ちょっと無理がある定義のような気もしますが、とりあえずこの定義で見ていくことにします。ちなみに、平成12年の国勢調査をもとに、35~50歳で独身者の数を計算すると、5,046,924人になります。

(つづく) (続きません。二転三転してスミマセン 2006年2月22日12時27分)
(若干不正確な内容があったので、一部を書き直しました 2006年2月21日18時42分)

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