中年ニートの数、ニート率は? (1)

今回は、ちょっと予定を変更して、中年ニートの数、そしてニート率を、厚労省、内閣府の資料をもとに算出、比較することにします。予定していました「中年ニートの事情 2」は中止します。

「中年ニート1 ~衝撃!働かない中高年も増えている!? 」でも引用した、「若者人口に対するニート比率と、大人世代の人口に対するニート比率にはほとんど差がない」(工藤啓氏)という説は、正しいのでしょうか。

[お先に結論]

表1 内閣府の定義、計算方法をもとにした、人口、ニートの数、ニート率
15~34歳35~49歳
人口34,023,100人24,176,400人
ニートの数84.7万人48.6万人
ニート率(ニートの数/人口)2.49%2.01%


表2 厚労省の定義、計算方法をもとにした、人口、ニートの数、ニート率
15~34歳35~49歳
人口3,425万人2,417万人
ニートの数64万人44万人
ニート率(ニートの数/人口)1.87%1.82%


以下では、この計算過程を長ったらしく書いています(非常に退屈な内容です…)。

* * * * * * * * * *

[目次]

■ 中年ニートの定義
(1) 内閣府の定義
(2) 厚労省の定義
(3) 両者の定義の違い
■ 中年ニートの数
(1) 内閣府
(2) 厚労省
■ 若年ニートの数
(1) 内閣府
(2) 厚労省
■ 中年層のニート率と若年層のニート率
(1) 内閣府
(2) 厚労省

■ 中年ニートの定義

ニートの定義は、内閣府と厚労省とで違いがあります。定義が違うとニートの数の計算方法も違ってきます。そこでまず、両者の定義の比較をします。

(1) 内閣府の定義

昨日の記事「中年ニートの実情」でもお話しましたように、内閣府の中年ニートの定義は、以下のようになります。

表3 中年無業者とその類型についての定義(「非求職型」と「非希望型」が中年ニートに相当)
呼び方定義
無業者(通学、有配偶者を除く)高校や大学などに通学しておらず、独身者であり、ふだん収入になる仕事をしていない、35歳以上49歳以下の個人(予備校や専門学校などに通学している場合も除く)
求職型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明し、求職活動をしている個人
非求職型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明しながら、求職活動はしていない個人
非希望型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明していない個人
(内閣府「青少年の就労に関する研究調査」平成17年、表2-1-1「無業者とその類型についての定義」より作成)

(2) 厚労省の定義

厚労省は、中年ニートについて明確に定義をしてはいません。そこで、厚労省のニートの定義を土台に、年齢層だけを内閣府と同じ35~49歳に変えて、中年ニートを定義づけることにします。

厚労省はニート(正確には「若年無業者」)を以下のように定義づけています。「年齢15~34歳に限定し、非労働力人口のうち家事も通学もしていない者」(厚労省『労働経済の分析』平成17年、154ページ)。

そこで、中年ニートを以下のように定義することにします。「年齢35~49歳に限定し、非労働力人口のうち家事も通学もしていない者」

なお、厚労省の『労働経済の分析』による定義は、平成17年と平成16年で異なります。ここでは、最新版の平成17年のものを採用しました。

(3) 両者の定義の違い

★ 内閣府は既婚者を除くが、厚労省は配偶関係を問題にしていない。
★ 内閣府は家事従事者を含めるが、厚労省は除いている。
★ 内閣府は「ふだん収入になる仕事をしていない」ということを問題にするが、厚労省は月末1週間の就業状況を問題にしている。

■ 中年ニートの数

以上の定義をもとに、中年ニートの数を、それぞれの定義をもとにして求めてみます。比較可能な2002年(平成14年)の数字を示します。

(1) 内閣府

48.6万人(内閣府「青少年の就労に関する研究調査」、平成17年、22ページ)。

(2) 厚労省

厚労省は、ニートの数を、総務省統計局がまとめた「労働力調査」の結果(全国平均)をもとに算出しました。同じ方法で中年ニートの数を算出しますと、44万人になります。

■ 若年ニートの数

ここで、中年ニートと比較をするために、15~34歳のニートの数を示します。

(1) 内閣府

84.7万人(内閣府「青少年の就労に関する研究調査」、平成17年、7ページ。「非求職型」と「非希望型」を合算した数字)。

(2) 厚労省

64万人(厚労省『労働経済の分析』平成17年、154ページ)。

■ 中年層のニート率と若年層のニート率

ここで、中年層のニート率(人口に占めるニートの数の割合)と若年層のニート率を算出し、比較を試みます。ニート率の算出のためには、既に算出したニートの数に加えて、人口も算出する必要があります。そこで、まずそれぞれの層の人口を算出して、その後にニート率を算出します。

(1) 内閣府

内閣府のニートに関する統計データは、全て「就業構造基本調査」がベースになっています。そこで、人口も同調査をもとに算出します。平成14年の同調査をもとに計算しますと、15~34歳の若年層の人口と、35~49歳の中年層の人口は、それぞれ34,023,100人、24,176,400人になります。

以上のことに加えて、上述のニートの数から、ニート率を以下のように算出することができます。

表1 内閣府の定義、計算方法をもとにした、人口、ニートの数、ニート率(再掲)
15~34歳35~49歳
人口34,023,100人24,176,400人
ニートの数84.7万人48.6万人
ニート率(ニートの数/人口)2.49%2.01%


(2) 厚労省

平成14年の「労働力調査」によりますと、ニートの定義に該当する年齢層、つまり15~34歳の人口は、3,425万人です。一方、35~49歳の人口は、2,417万人です。

そこで、内閣府の場合と同様に、ニート率を以下のように求めることができます。

表2 厚労省の定義、計算方法をもとにした、人口、ニートの数、ニート率(再掲)
15~34歳35~49歳
人口3,425万人2,417万人
ニートの数64万人44万人
ニート率(ニートの数/人口)1.87%1.82%


(つづく)

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