「発音・言語・コミュニケーションに支援を必要とする子供」

「発音・言語・コミュニケーションに支援を必要とする子供」(Children with speech, language and communication needs; SLCN)という用語が英国には存在します。「特別な教育的支援を必要とする子供」(Children with Special Educational Needs; SEN)という用語なら日本でも目にすることがありますが、英国では特にコミュニケーションに困難を抱える子供への支援の必要性も注目されてきました。

その用語の意味するところは何なのか、曖昧な説明がなされることが多いのですが、広義には、自分の思うことを表現するのに困難を抱える子供や、相手が表現したことを理解するのに困難を抱える子供など、言語コミュニケーションに問題を持つ幅広い子供がこれに含まれるようです。具体的には、特異的言語障害 (Specific Language Impairment; SLI)、吃音、自閉症スペクトラム症、脳性麻痺ほか。私が積極的に取り上げている場面緘黙症/選択性緘黙[注]も、これに含まれます。狭義には、より一次的な問題として発音・言語・コミュニケーションに問題を抱える子供で、特に特異的言語障害を指します。

英国では、こうした子供たちに対する早期支援の必要性が叫ばれています。英国政府も支援に関わっています。2008年に Bercow Review という政府への答申が出て、その後、答申を受けた Better Communication という行動計画が策定されました。また、この行動計画の一環として Better Communication Research Programme (BCRP) という研究計画があり、3年間にわたって19の報告書がまとめられました。

どうして英国ではこうした用語というか、くくり方が存在するのか、その背景を調べていたのですが、今のところ突き止められませんでした。何にせよ、コミュニケーションはわが国においても重要で、気にはなります。

[注] 場面緘黙(かんもく)症/選択性緘黙……発声器官に器質的障害がなく、言語の習得にも問題がないにもかかわらず、特定の場面で継続的に発語ができない状態のこと。米国精神医学会の診断基準 DSM-5 では、不安障害に分類。

[関連リンク]

↓ いずれも、発音・言語・コミュニケーションに支援を必要とする子供や若者のための団体へのリンク。英語。
◇ The Communication Trust (新しいウィンドウで開く
◇ I CAN (新しいウィンドウで開く
◇ Afasic (新しいウィンドウで開く

↓ Bercow Review について、緘黙支援の観点からまとめています。姉妹ブログ「場面緘黙症Journal」へのリンク。
◇ 英国のある調査報告書 (新しいウィンドウで開く

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