「ひきこもり」と「引きこもり」どう違う

「ひきこもり」「引きこもり」。どちらの表記もよく見かけますが、何か違いがあるのでしょうか。他にも、「引き篭もり」などの表記も稀に見かけます。

私はこの違いをあまり意識していませんでした。このブログの題名を「ニートひきこもりJournal」から「ニート引きこもりJournal」に変えたのも、最近は「ひきこもり」よりも「引きこもり」と検索する人の方が多いからという検索エンジン対策上の理由以外にありません(そのはずが、題名を変更したら、アクセス数が急減してしまいました……)。

↓ Google トレンドへのリンクです。
※ 「ひきこもり 引きこもり」検索ボリュームの推移
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私は長い間こういうブログをやっているのに、両者の違いを知りません。この違いを説明したものを読んだこともほとんどありません。本の中には、

「本書は『引きこもり』もしくは『引き籠もり』という表記ではなく、ひらがなで「ひきこもり」と表記する。この言葉を漢字ではなく、ひらがなで記述する理由は、本書が問題化する『ひきこもり』とは『空間的に自室にとどまる』という意味ではないからである」(井出草平『ひきこもりの社会学』世界思想社、2007年、5ページ)

として、その表記の理由が名言されることもあるのですが、そうでない場合の方が多いです。

とりあえず、それぞれの表記がどういう場面で使われているのかを調べてみることにしました。

ひきこもり


ひきこもりが広く知られるきっかけとなった斎藤環氏の著者は『社会的ひきこもり』でした。それ以後も、斎藤氏の著書の題名は全て「引きこもり」ではなく「ひきこもり」です(本の中身ではどう表記されているかまでは、全ての本に目を通したわけではないので分かりません)。なお、斎藤氏の Twitter の投稿を調べたところ、リツイートを別にすると、どれも「ひきこもり」表記ばかりでした。

斎藤氏の著書以外にしても、この問題を扱った本の題名は、どちらかと言えば「ひきこもり」表記が多いです(例。『大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち 』『ひきこもりのライフプラン――「親亡き後」をどうするか』『安心ひきこもりライフ 』)。ただ、Google ブックスで "ひきこもり" "引きこもり" を表記のゆれを考慮せずに検索すると、前者は約18,900件、後者は約19,300件と差はありません。もっとも、Google ブックスの検索結果には高齢者のひ/引きこもりなど無関係なものも含まれています。

厚生労働省は「ひきこもり対策推進事業」を行っていて、「ひきこもり地域支援センター」の設置運営事業や「ひきこもりサポーター」の養成研修・派遣事業を行っています。厚労省研究班による『ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン』もあります。

内閣府にしても、『子ども・若者白書』や「子ども・若者ビジョン」では「ひきこもり」と表記されています。他にも、「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」を行なったり、『よりそい~不登校・ひきこもりに対する民間支援団体の活動事例集~』や『ひきこもり支援者読本』を発行したりしています。

自治体関係のウェブサイトにも、「ひきこもり」表記が目立ちます。

全国的な親の会は「全国引きこもりKHJ親の会(家族会連合会)」という名称でしたが、機関紙『旅立ち』74号によると、2014年6月22日に定款が変更され、現在は「全国ひきこもりKHJ家族会連合会」が正式名称だそうです。なぜ名称が変更されたのかは知りません。

この他、「ひきこもり支援相談士」という資格もあります。

引きこもり


Yahoo!Japan で表記のゆれを考慮せずに "ひきこもり" "引きこもり" とそれぞれ検索すると、前者のヒット数は約1,520,000件、後者は約2,260,000件と、「引きこもり」表記の方が多いです。ただ、これには高齢者のひ/引きこもりなど無関係なものも含まれています。

全国紙(読売、朝日、毎日、産経、日経)のウェブサイト内を、表記のゆれを考慮せずに "ひきこもり" "引きこもり" とそれぞれ検索したところ(Yahoo!Japan で検索)、どこも「引きこもり」表記の方が多くヒットしました。

Wikipedia は「引きこもり」表記です。ダイヤモンドオンラインには、「『引きこもり』するオトナたち」という連載があります。

全国的な親の会は、先ほどお話したとおり、比較的最近まで「全国引きこもりKHJ親の会(家族会連合会)」という名称でした。

むすび


「社会的ひきこもり」から出発し、今日では行政関係では「ひきこもり」が用いられ、この問題を専門に扱った書物の題名も「ひきこもり」が多いです。ですが、検索動向や一般サイトでは「引きこもり」表記の方が多いです。

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