引きこもりの「準備段階」

引きこもりにも段階があるのでしょうか。厚生労働省研究班による「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」では、引きこもりの諸段階が示されています。「準備段階」、「開始段階」、「ひきこもり段階」、「社会との再開段階」の四段階です。

そのうち、「準備段階」は次のような内容です。

「準備段階」は、当事者の内面では葛藤がありますが、症状はあったとしても身体症状、不安・緊張の高まり、抑うつ気分などの一般的な症状です。もちろん、この時期の当事者は就学ないし就労を続けていますから周囲からはひきこもりの経過が始まっているとはわかりにくい段階です。このまま適切な支援を受けるなどの理由でひきこもりに至ることなく終る子どもや若者は多いので、なおさらこの準備段階でひきこもりを想定することは難しいでしょう。しかし、ひきこもり事例の経過をたどりなおすと、たとえ短期間でもこの時期を経ないというひきこもりはありえません。様々な一般症状を含めた当事者の変化を見逃さない適度な敏感さを、子どもや若者の支援にあたる大人は求められているといえるでしょう。

この時期を経ない引きこもりはありえないとのことですが、我が身を振り返ってみると、私にとって準備段階にあたる時期がいつだったのか分かりません。はっきりここという時期が思い当たらないのです。

どうしてもと言えば、とても情けない話ですが、5歳で幼稚園に入園してから大学卒業と同時に引きこもるまでの17年間が、準備期間だったのではないかと思います。幼稚園に入園すると不適応を起こし、小学校に入学すると不適応を起こし、転校先では不適応を起こし、その後も中学、高校、大学と不適応を続けてきました。また、この間、家庭でもヘマばかりしてきました。

17年間も準備期間があったとすれば、私の引きこもりは根が深そうです。また、幼稚園入園から大学卒業までが引きこもりの「準備段階」となると、これではまるで引きこもりになるために幼稚園や学校に通ってきたようで、恩師にあまりにも申し訳ないです。それにしても、こんなに長い期間を準備段階とするのは妥当なのでしょうか。

もっとも、見方を変えれば、これは後付けの理屈なのかもしれません。もし私が大学卒業後に運よく進路が決まり、曲がりなりにも社会人として過ごしていたなら、「子供の頃に学校で苦しい思いをしてきたからこそ、今日がある」などとして、あの17年間を社会人になるための「準備段階」などと理屈をつけていたような気もします。非現実的な仮定の話かもしれませんが。

なお、この引きこもりの四段階は、冒頭でお話したガイドラインが初出のようです。妥当なものかどうかは私には分かりません。第16回精神保健福祉士国家試験では、この四段階のうち「準備段階」についての理解を問う問題が出題されています。

[関連リンク]

↓ 厚労省HPへのリンクです。PDF(836KB)。なお、PDFを閲覧するには Adobe Reader が必要です。こちら新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

◇ 「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」
新しいウィドウで開く

スポンサーリンク

トラックバック

URL :

最近の記事
カテゴリー
カレンダー(月別)
06 ≪│2017/07│≫ 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
RSSフィード
本など
「ニート」って言うな! (光文社新書)

若年者就業の経済学
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
心と身体
144位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
9位
アクセスランキングを見る>>
リンク
このサイトについて

このサイトはリンクフリーです。張るのも剥がすのもご自由になさってください。相互リンクは現在募集しておりません。

携帯用アドレスを取得されたい方は、「こちら」をクリックしてください。

このブログのリンク先のご利用につきましては、ご自身の責任のもとでお願いします。なお、本等のリンクについては、Amazon.co.jpのアフィリエイトプログラムを導入しています。

なお、「富条」はハンドルネームです。本名は全く違う名前です。

メールは nhjournal77@yahoo.co.jp まで。