若年無業女性

家事手伝いをしている若い独身女性は、ニート?

厚生労働省のニート(厳密には若年無業者)の定義に従うと、そうではありません。厚労省の定義では、家事従事者はニートに含まれないからです。

ですが、昔は政府によるニートの定義には内閣府のものもあり、こちらは家事に従事する独身女性もニートに含めていたのでした。その理由について、内閣府の研究調査報告書には次のように書かれてありました。

ニート及びその支援組織に対するインタビュー調査を行なうと、仕事をしていない現状を「家事」若しくは「家の手伝い」をしていると表現する若年無業者は、女性について少なくない。特定の家庭外の社会参加活動をしていない場合、自らの現状を的確に表現する言葉が見付からず、仕方なく「家事をしている」という項目を選択せざるを得ない。これらの無業者は、就業の困難さやその原因となっている問題点について、家事と答えないニートの無業者と異なるところは少ないように思われる。そこで、ここでは「家事をしている」と答えた無業者を排除することなく、検討すべき対象として加えることにした。

玄田有史(2005)「若年無業者の実情」『H17青少年の就労に関する研究調査』9ページ。
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/shurou/pdf/2-1-1.pdf

なるほど、もっとものような気がします。ですが、「介護独身」という言葉もあるように、本当に家事を目的に無業状態を送っている独身女性もいるので、このあたりどうなのだろうと思います。

* * * * * * * * * *

その後、政府によるニートの定義は厚労省のものに一本化され、家事に従事する若い独身女性は統計上ニートとして扱われなくなりました。ですが、現在でも女性のニートは、「家事手伝い」という位置づけがあることにより実情が見えにくかったり、実際は困難な状況にあるのに理解されにくかったりするという指摘があります。

埼玉県や横浜市では、こうした独身の若年無業女性を対象とした支援を継続的に行なっているそうです。埼玉県では、埼玉県男女共同参画推進センター(With You さいたま)が主体となって、グループ相談会「おはなしカフェ」や「女性の働き方講座」を開催しています。横浜市では、公的財団法人の男女共同参画センターが「『ガールズ』サポート」を展開していて、「ガールズ編しごと準備講座」や就労体験「めぐカフェ」といった事業を行なっています。

男性である私は女性の問題には疎いのですが、世間一般ではニートというと男性のイメージが強い上、「家事手伝い」とすることもできることから、女性ニートの問題は理解されにくそうとは思います(これは引きこもりもそうなのですが)。このあたりのところは、もう少し関心を持ってみようかどうかと考えているところです。

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