引きこもりの高年齢化と健康問題

今後、引きこもりに基づく二次疾患が増加し、精神科医ではない医療従事者が引きこもり者に遭遇することが増えるかもしれない。精神科医だけではなく、全ての医療従事者による、引きこもりの原因、診断、治療的介入に関するコンセンサスが緊急に求められるだろう。

In future, the incidence that medical staff, not psychiatrists, encounters in hikikomori patients may increase because of the increase of the secondary disease based on hikikomori. The consensus about the causes, diagnosis and therapeutic interventions for hikikomori will be required not only by psychiatrists but also by all of the medical staff now, with urgency.

これは2010年に発表された、日本の引きこもりの事例研究の中の文章です(Furukawa, et al., 2012)。このブログで、3年前に取り上げています。⇒将来、医者(非精神科)を訪れるひきこもり者が増える? (新しいウィンドウで開く

その後、医療機関(非精神科、歯科もここでは除く)にかかった引きこもり事例の報告を探し続けたのですが、今のところ見つけたのは次の2件でした。いずれも20代前半の若い引きこもり者の事例です。

※ ひきこもりにて肝不全の発見が遅れたWilson病の1例 (新しいウィンドウで開く

※ 消化器症状の出現によりひきこもりになり,確定診断と治療によってひきこもりが改善したクローン病の1例  (新しいウィンドウで開く

2件目は引きこもりの原因がクローン病だったとのことですが、本文をよく読むと、引きこもりでクローン病の発見が遅れたとも書かれてあります(25ページ)。

* * * * * * * * * *

引きこもりの高年齢化と長期化が指摘されています。こうした傾向が続くと、引きこもりの人の健康問題が深刻化するのではないかと私は以前から見ていて、このブログでも書いてきました。引きこもり生活は身体を動かさず不健康でしょうし、引きこもりの人は健康診断を受けるのを避ける人も多そうです。若いうちはまだいいかもしれませんが、高年齢化と長期化が進むと、こうしたことは深刻さを増すのではないかと思います。

ですが、今のところそうした問題が起こっていることを示すものは見つかりません。メディア等で取り上げられているのを見たことはありませんし、先ほどお話したように症例報告も少ないです。

私の考え違いかもしれません。それとも、引きこもりの人は医療機関の受診をしぶるので、表面化しにくいのでしょうか。ですが、いずれ問題化するに違いないと、いまだに考えています。

文献


◇ Furukawa, H., Oyamaa, A., Funayamaa, E., Hayashia, T., & Yamamoto, Y. (2012). Skin necrosis around bilateral buttock of hikikomori teenager. International Journal of Culture and Mental Health. doi: 10.1080/17542863.2012.685485

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