アトピーを背景とした引きこもり

例えばアトピー性皮膚炎なんかでも、汚いとかうつるんじゃないかというような形での苛め、自分自身もどんどん自己嫌悪になってくるということでの引きこもりというものにつながってまいりますので、アトピーニートというような形のものが、私どものところに相談が多いです。

これは、2016年2月3日に行われた政府の第1回アレルギー疾患対策推進協議会より、「アレルギー患者の声を届ける会」代表理事の武川篤之氏の発言です。前後の内容から見て、学校現場での話のようです。ですので、引きこもり、ニートというよりは、不登校の話の可能性もあります。

↓ 厚生労働省ホームページへのリンク。
※ その議事録。武川氏の発言は、かなり下の方です。
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ただ、アトピーを背景とした引きこもりの人は、学齢期に限らずいるようです。学術文献でも症例報告がありますし、インターネットで検索してもそういう話はいくつも見つかります。アトピーは子供のみがなるものではなく、大人になっても治らなかったり、再発したりすることがあるそうです。

引用部分では、アトピーの引きこもりの原因に苛めや自己嫌悪が挙げられていますが、原因としてはそれだけでもないでしょう。例えば、アトピーによる就職差別の存在が指摘されています。

それから、これは引きこもりというより不登校の話ですが、アトピーは強い瘙痒のために生活リズムを崩しやすいとか、外見を気にして欠席の原因になりやすいとか、さらに、不登校は単にアトピーの結果というだけでなく、両者の心理社会的背景が共通で、アトピーがあることによって悪循環を形成していることが少なくないという指摘もあります(片岡、2006)。

私はアトピー経験者でもなければ、身近にそういう人もいないので、アトピーと言われてもピンとこなかったのですが、経験した方のお話を読むに、その苦しみは筆舌に尽くしがたいようです。「たかが皮膚病」などと軽く見ることはできません。

それにしても、一口に引きこもりといっても、その背景は人によって様々だと改めて考えさせられます。

文献


◇ 片岡葉子(2006)「学齢期アトピー性皮膚炎と不登校・ひきこもり」『臨床皮膚科』60(5)、179- 181。DOI:10.11477/mf.1412100617
本当はよくないのですが、論文の全文は読んでおらず、概要を読んだだけです。

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