heterogeneous-引きこもり、ニートの多様性

私がよく意識する言葉に heterogeneous という英語があります。

英和辞典にはよく「異種の」「異質の」という訳が載っています。英英辞典 Oxford Advanced Learner's Dictionary には"consisting of many different kinds of people or things" という意味が載っています。

※ consist of ~ 「~から成る」「~で構成される」

↓ Oxford Advanced Learner's Dictionaryホームページへのリンク。
◇ heterogeneous (新しいウィンドウで開く

対義語は homogeneous です。ヘテロとかホモとかいうと、理科や生物の授業で聞いたことがあるという方も多いだろうと思います。

引きこもりにしろニートにしろ、その当事者には様々な人がいます。姉妹サイトで取り上げている場面緘黙症についてもそうです。その様を表す言葉があるとすると、私には heterogeneous が近いように思われ、この言葉をよく意識するわけです。なぜよく意識する言葉が英語なのかというと、英語を勉強しているからです。

多種多様な人から成るとすると、その分類を試みようという動きが出ます。例えば厚生労働省研究班による「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」(2010年)では、引きこもりの三分類が示されています。第一群は「統合失調症、気分障害、不安障害などの精神障害と診断され、かつ発達障害を併存していない群」、第二群は「広汎性発達障害や知的障害などの発達障害と診断される群」、第三群は「パーソナリティ障害や身体表現性障害、同一性の問題などを主診断とする群」です。

ニートについても、様々な分類があります。2005年には、「非求職型」「非希望型」という内閣府の類型が示されたことがありました。前者は、就職希望を表明しながら、求職活動はしていないタイプです。後者は、就職希望を表明していないタイプです。

私が気に入っているのが、最近見つけた Eurofound(2016年)による新しい NEET の分類です。職探しをする完全失業者を含んでいる点で日本のニートとは厳密には違うのですが、本来の労働政策上の問題意識から、マクロ経済統計と結びつけた分類を行なっています。次の7分類からなります。Re-entrants(近く就職や入学する者)、Short-term unemployed(短期失業者)、Long-term unemployed(長期失業者)、Unavailable due to illness or disability(病気、怪我のため働けない者)、Unavailable due to family responsibilities(家庭の事情で働けない者)、Discouraged workers(自分には雇用の機会がないと考え職探しを諦めた者)、Other inactive(その他)。

引きこもりやニートに関する議論を見聞きして違和感を持つことがあるのですが、その原因が、一言に引きこもりやニートといっても多様な人からなる事実がよく理解されていないことによる場合があると感じています。

おまけ情報


「ひきこもり新聞」というサイトが開設されました。「ひきこもり当事者による、当事者のためのメディア」だそうです。

◇ ひきこもり新聞 (新しいウィンドウで開く

文献・関連リンク


↓ 全国精神保健福祉センター長会ホームページへのリンク。PDF(836KB)。
◇ 「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」 (新しいウィンドウで開く

↓ 内閣府ホームページへのリンク。「非求職型」「非希望型」という類型が見えます。
◇ 「H17青少年の就労に関する研究調査」 (新しいウィンドウで開く

↓ Jugendpolitik in Europa へのリンク。Eurofound の2016年の報告書です。PDF(2.9MB)。
◇ Exploring the diversity of NEETs (新しいウィンドウで開く

◇ 場面緘黙症Journal (新しいウィンドウで開く

スポンサーリンク

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

最近の記事
カテゴリー
カレンダー(月別)
07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
RSSフィード
本など
「ニート」って言うな! (光文社新書)

若年者就業の経済学
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
心と身体
115位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
5位
アクセスランキングを見る>>
リンク
このサイトについて

このサイトはリンクフリーです。張るのも剥がすのもご自由になさってください。相互リンクは現在募集しておりません。

携帯用アドレスを取得されたい方は、「こちら」をクリックしてください。

このブログのリンク先のご利用につきましては、ご自身の責任のもとでお願いします。なお、本等のリンクについては、Amazon.co.jpのアフィリエイトプログラムを導入しています。

なお、「富条」はハンドルネームです。本名は全く違う名前です。

メールは nhjournal77@yahoo.co.jp まで。