親が介護を要する状態にある中高年ニートの存在

ある日、私の親が動けなくなった--というのは前回の記事です。私の親は一晩寝たら治りましたし、医者に診てもらって心配いらないことが確認できたので安心です。

それにしても、私が親の身の回りの世話をしたその日は「介護」という言葉が頭に浮かびました。いずれ、親が継続的に介護を必要とする日が来るだろうと改めて意識させられました。

私の場合、親の介護は少し遠い先の話のように思えます。ですが、親が介護を要する状態にある無業者は必ずしも珍しくないようです。

2015年、常葉大学の研究グループが、介護保険サービス事業所で働くケアワーカーを対象に、中高年化したニートに関するアンケート調査を実施しました。調査対象者はS市社会福祉協議会が運営する事業所で働く146名で、そのうち73名から回収したところ、ここ1年で中高年化したニートがいるお宅を担当したことがあるケアワーカーは32名(43.8%)だったそうです。

↓ 弘前大学学術情報リポジトリへのリンクです。
◇ 福岡裕美子、駒井裕子、林成蔚(2016)「中高年化したニートを支える親の心配事-高齢者ケアに携わる専門職への実態調査-」『弘前大学大学院地域社会研究科年報』12、57-63。 (新しいウィンドウで開く

※ PDFを閲覧するには Adobe Reader が必要です。こちら新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

上の論文を読むと、我が家の将来の一つのシナリオを見せられているような思いです。また、ニートの高年齢化が進む中、こうしたことが我が国で今後増えていくのではないかとも思わせられます。

私が言うのもなんですが、中高年化したニートを支える親が抱える心配事の数々を読むと、いたたまれない思いです。一方、ニート状態にある人の視点から見ると、介護保険サービス事業所で働くケアワーカーから「この家庭には中高年化したニートがいる」と把握されるのは、たまらないことのようにも思えます。

なお、論文で挙げられている「中高年化したニート」の中には、介護離職者の例も含まれています。

* * * * * * * * * *

なお、これはどこまで現状を反映したものなのか、完全なフィクションなのかは分かりませんが、第27回(平成26年度)社会福祉士国家試験の問35の問題文で、次のような一節を見つけました。

「P市地域包括支援センターには、市内の居宅介護支援事業所の介護支援専門員から、『介護保険制度の利用のために高齢者宅を訪問すると、長年ひきこもっている成人の子どもが同居しているケースが少なくない』という相談がしばしば寄せられていた」

↓ 社会福祉振興・試験センターのホームページへのリンクです。PDF(221KB)。
◇ 第27回(平成26年度)社会福祉士国家試験試験問題 地域福祉の理論と方法 (新しいウィンドウで開く

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