フリーターって何ぞや

「フリーター」という言葉は、もともとは、リクルートのアルバイト情報誌『フロム・エー』の編集長だった道下裕史氏が1987年、ミュージシャンや作家などの夢を追いながら、生活のためにアルバイトする若者に対して応援の気持ちを込めて作った言葉だそうです。free(英語)+Arbeit(独語)+er(英語)を合わせた、造語です。

確かに、上記のような若者を「プータロー」だの「職業不定」だのというのは、少し可愛そうな気もします。

しかし、現在では言葉が独り歩きして、全く違う使われ方をされるようになった感があります。

先週の記事「フリーターについて考えてみる」の中でお話した通り、今後毎週月曜日はフリーターについて書いていきます。

今回は、まずは手始めに、フリーターの定義について見ていきます。ニートの定義との比較も行っています。

[目次]

■ 通俗的な定義
■ 役所の定義
(1) 厚生労働省
 1) フリーターの定義
 2) ニートの定義
 3) 両者の定義の比較
(2) 内閣府
 1) フリーターの定義
 2) ニートの定義
 3) 両者の定義の比較
■ まとめ

* * * * * * * * * *

■ 通俗的な定義

「定職を持たないでアルバイトをしながら生計を立てている人」(『明鏡国語辞典』より)

だいたい、多くの人が考えている定義というのは、こういうところではないでしょうか。

■ 役所の定義

役所はフリーターをどう定義しているのかといいますと、これも「ニート」(若年無業者)と同様、統一されていません。以下では、厚生労働省と内閣府によるフリーターの定義を紹介し、ついでにニートの定義とを比較してみます。

(1) 厚生労働省

 1) フリーターの定義

「年齢15~34歳、卒業者、女性については未婚者に限定し、さらに、(1)現在就業している者については勤め先における呼称が『アルバイト』又は『パート』である雇用者で、(2)現在無業の者については家事も通学もしておらず『アルバイト・パート』の仕事を希望する者」(平成15年版『労働経済の分析』)

この定義は、平成16、17年版の『労働経済の分析』にも踏襲されています。パートや無業の者もフリーターに含めるというのが、私には意外です。ですから、「厚労省の発表によると、フリーター人口は○○○万人」という報道がなされた場合、この中にはパート労働者も含まれることに気をつけなければなりません。

 2) ニートの定義

「年齢15~34歳に限定し、非労働力人口のうち家事も通学もしていない者」(平成17年度版『労働経済の分析』より。正確には厚労省は「若年無業者」という言葉を使っていますが、「ニート」と同じと考えて差し支えありません)

「非労働力人口」とは、15歳以上の人口のうち a)就業者(月末1週間に少しでも仕事をした者)と b)完全失業者(仕事がなく、仕事を探していた者で、仕事があればすぐに就ける者)を除いた人口をいいます。学生や家事従事者、病弱者などがこれに含まれます。

非労働力人口
総務省統計局ウェブサイト「労働力調査に関するQ&A」(http://www.stat.go.jp/data/roudou/qa-1.htm)より作成。

 3) 両者の定義の比較

15~34歳の若年者に限定しているところが、共通ですね。

それから、ニートでも、「アルバイト・パート」の仕事を希望してさえいれば、フリーターになります。例えば、自宅でひきこもっているけれども、「アルバイトやりたいやりたいやりたい」などと念じているような人は、ニート兼フリーターです。無業でも、アルバイトの仕事を希望しているわけですから。個人的にはなんか納得できないのですが、厚労省はこう定義しているわけです。

(2) 内閣府

 1) フリーターの定義

「15~34歳の若年(ただし、学生と主婦を除く)のうち、パート・アルバイト(派遣等を含む)及び働く意志のある無職の人」(平成15年版『国民生活白書』より)

この定義はもともと、若年雇用の分析を行うためになされたものです。15~34歳という限定句があるのは、そのためです。

働く意志はあっても正社員としての職を得ていない若年を広く分析の対象としているため、パートや派遣、無職の若者まで含まれています。広い定義です。

 2) ニートの定義

表 無業者とその類型についての定義(「非求職型」と「非希望型」がニートに相当)
呼び方定義
無業者(通学、有配偶者を除く)高校や大学などに通学しておらず、独身者であり、ふだん収入になる仕事をしていない、15歳以上34歳以下の個人(予備校や専門学校などに通学している場合も除く)
求職型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明し、求職活動をしている個人
非求職型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明しながら、求職活動はしていない個人
非希望型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明していない個人
(内閣府『若年無業者に関する調査』表1「無業者とその類型についての定義」より作成)

 3) 両者の定義の比較

15~34歳の若年者に限定しているところが、やはり共通しています。

それから、非求職型ニート、つまり就職希望があるのに求職活動を行っていないニートは、フリーターにも含まれることになります。働く意思があるからですね。これにも個人的には異論があるのですが、とにかく内閣府はこう定義しています。

■ まとめ

フリーターの定義について、通俗的な定義と役所(厚労省、内閣府)のものをみてきました。特に役所の定義については、ニートの定義との比較を試みました。

一般的なフリーター像とは違って、役所が定義するフリーターには、パートや派遣、無職の者を含んでいたりするので、注意が必要です。役所が発表するフリーター人口の数字には、気をつけましょう。

長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。よろしければ、人気blogランキングへ1票お願いいたします。人気blogランキングへ

[参考にしたもの(既出のものは省く)]

☆ Wikipedia の執筆者たち「フリーター」『Wikipedia』(http://ja.wikipedia.org/wiki/ %E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC、 最終アクセス2006年3月26日)
☆ 中黒啓人「フリーター」、2004年(一橋大学社会学部 学士論文)。

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