フリーターの類型

毎週月曜日は、フリーターのお話です。

今回はフリーターの類型についてお話しています。

一口にフリーターといっても、様々なタイプのフリーターがいます。類型化を図ることで、フリーターの特徴をはっきりさせることができます。

類型化を行うための出発点は、類型化の基準を設けることです。以下では、代表的なフリーター類型を、類型化の基準をもとに私なりに類型化しています(変な日本語…)。

私独自が考え出したフリーター類型もご紹介しています。自分が考えたフリーター類型をご紹介するなんて、ちょっと恥ずかしいです。

[目次]

1 フリーターになる理由を基準とする類型
(1) 日本労働研究機構の類型
(2) 厚生労働省「若年者キャリア支援研究会」の類型
2 フリーターの意識を基準とする類型
3 フリーターの雇用形態を基準とする類型
4 フリーターの心身の状態を基準とする類型
5 むすび * * * * * * * * * *

1 フリーターになる理由を基準とする類型

フリーターを、フリーターになる理由をもとに体系的に類型化することは、フリーター対策を体系的に立案するうえでも重要です。

この種の類型として、日本労働研究機構のものと、厚生労働省「若年者キャリア支援研究会」のものとをご紹介します。ともに同じ基準で類型化しているにもかかわらず、類型の内容が大きく異なっている点が興味深いです。

(1) 日本労働研究機構の類型

フリーター類型で有名なのが、日本労働研究機構による類型です。同研究所の「フリーターの意識と実態」(2000年)は、フリーターを次のように類型化しています。

■ モラトリアム型(39.2%)

☆ 離学モラトリアム型(職業や将来に見通しを持たずに教育機関を中退・修了し、フリーターとなったタイプ。29.9%)
☆ 離職モラトリアム型(離職時に当初の見通しがはっきりしないままフリーターとなったタイプ。9.3%)

■ やむを得ず型(33.0%)

☆ 正規雇用志向型(正規雇用を志向しつつフリーターとなったタイプ、特定の職業に参入機会を待っていたタイプ、および比較的正社員に近い派遣を選んだタイプ。13.4%)
☆ 期間限定型(学費稼ぎのため、または次の入学時期や就職時期までといった期間限定の見通しを持ってフリーターとなったタイプ。13.4%)
☆ プライベート・トラブル型(本人や家族の病気、事業の倒産、異性関係などのトラブルが契機となってフリーターとなったタイプ。6.2%)

■ 夢追求型(27.8%)

☆ 芸能志向型(バンドや演劇、俳優など、芸能関係を志向してフリーターとなったタイプ。16.5%)
☆ 職人・フリーランス志向型(ケーキ職人、バーテンダー、脚本家など自分の技能・技術で身を立てる職業を志向してフリーターとなったタイプ。11.3%)

内訳の数字は少し古いので、ご参考程度に。

(2) 厚生労働省「若年者キャリア支援研究会」の類型

厚労省の「若年者キャリア支援研究会」は、2003年9月、「若者の未来のキャリアを育むために~若年者キャリア支援政策の展開~」(若年者キャリア支援研究会報告書)をまとめました。その中で、次のような類型を行っています。

■ 目標既設定型(夢追い型+やむを得ず型)(一定の目標を持ちながらも、フリーターとなっている者)
■ 職業探索型(自分の適職が何であるかを探索ないし不安に思い、フリーターとなっている者)
■ 組織不信等モラトリアム型(企業や組織に対する不信感を持つか、性に合わないと感じる等により、当面フリーターを続けたいと思っている者)
■ 能力不足型(能力の不足により、フリーターや無業者になっている者(長期的にフリーターを続けることによって年齢の割には職業能力が身に付いてない者を含む。))
■ 意欲欠如型(主として無業者)(働く意欲の欠如(家庭に入りたいと思っている者を含む。)により、フリーターや無業者になっている者)

どちらの類型も説得力がありそうなのですが、個人的には、有名な日本労働研究機構の類型よりも、若年者キャリア支援研究会のそれの方が、「ああ、こういう人、いるいる!」と実感がわくんですよね。みなさまは、いかがでしょうか。

2 フリーターの意識を基準とする類型

フリーターといい、ニートといい、定職に就いていない若者というと、その意識が注目されることが多いです。当然、フリーターの意識をもとに類型化する試みも行われています。

(株)リクルートリサーチ「アルバイターの就労等に関する調査」(2000年)は、フリーターを意識にもとづいて類型化を試みています。

■ 自己実現型(俳優、資格を要する職業など、確固とした将来の目標を目指してそれに向けた努力をしているが、日常の生活のための収入を得るためにフリーターをしているタイプ。25.3%)
■ 将来不安型(正社員になることなど将来の漠然とした目標はあるが、それに向かっての取組は特に行っておらず、現状に対する不安を抱きつつ、当面はフリーターをしている。39.4%)
■ 非自発型(「将来不安型」のうち、フリーターをしている理由として「正社員として採用されなかったから」又は「正社員として採用される見込みが低く、就職をあきらめたから」を選択しているタイプ。11.3%)
■ フリーター継続型(フリーターを続けたいとする者。7.0%)
■ その他(家庭に入りたいなど。28.2%)

内訳の数字は少し古いので、ご参考程度に。

こうして類型化し、その内訳まで調べると、フリーター生活を好きで選択している人が多いか少ないかが分かり、興味深いです。

少数ですが、フリーターを続けたいとする「フリーター継続型」がいますね。こういった人たちに、政策的にフリーターを辞めさせて正社員に持っていく…というのは、少し難しいように思います。好きでフリーター生活を送っている人たちの価値観を政府が強引に変えるというのは、問題があります。別の見方をすれば、こうしたフリーター継続型が増えれば、政府の政策の余地が少なくなりそうです。

3 フリーターの雇用形態を基準とする類型

前回の記事「フリーターって何ぞや」でお話した通り、厚労省は、いわゆるパートや無業者をもフリーターに含めています。内閣府の場合などは、派遣社員まで含めています。これらのことから、フリーターをその雇用形態を基準に次のように類型化することができます。

■ パート型
■ 派遣社員型
■ アルバイト型
■ 無業型

アルバイト型は狭義のフリーター、パートや派遣社員、無業型をも含めるのは広義のフリーターと言うこともできます。もちろん、世間一般の人は、狭義のフリーターを念頭に置いている場合が多いでしょう。

4 フリーターの心身の状態を基準とする類型

4番目にご紹介する類型は、私が独自に考え出したものです。類型になっているかどうか自信がありませんが、敢えてお示ししたいと思います。

■ 健康型(心身の健康に特に大きな問題がないタイプ)
■ リハビリ型(病気や社会的ひきこもりから段階的に社会復帰するため、リハビリとしてフリーターを選択しているタイプ)
■ 病気型(なんらかの病気を抱えているタイプ)
■ 障害(障碍)型(なんらかの障害を抱えているタイプ)

既存のフリーター論では、フリーターは心身ともに健康な者が前提、という暗黙の了解があるのではないでしょうか。しかし、なんらかの障害や病気があるために正社員になることが難しい人たちがいることも忘れてはなりません。健康なフリーターと、障害や病気を抱えていて思うような労働ができないフリーターとを区別するのは、重要なことと考えます。

5 むすび

フリーターの類型を類型化しました。ついでに、それぞれの類型についてコメントも添えました。長文になりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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