英国NEETはサッチャリズムが生んだものなのか否か(3)~サッチャーの行政改革

毎週金曜日は、イギリスNEETのお話です。

前回から、まずはサッチャーが内政面でどういうことをやったのかを見ていこうということで、やっています。サッチャリズムとNEETの関係にまでは、まだ触れていない段階です。

今回は行政改革について簡潔にまとめています。本当に簡潔にまとめているので、サッチャーの行政改革について詳しくお知りになりたい方は、別のサイトをご覧になることをおすすめします。 * * * * * * * * * *

(2) 行政改革

サッチャーの行政改革は、公共部門に民間の経営手法を導入し、業務の効率化を図ろうというものです。これも、広い意味での民営化にあたるのかもしれません。見たところ、こうした行政改革はあまりイギリスNEETと関係がなさそうなので、さらっとまとめています。

■ 時系列まとめ

☆ 1979

内閣府に効率室(Efficiency Unit)の設立。省庁の業務をより効率的にできないか、より低いコストでできないか、省庁に必要な仕事なのかどうか、チェック。室長のデレク・レイナー(Derek Rayner)が、サッチャーの効率性アドバイザーに。 レイナーが行った効率性調査は、レイナー調査(Rayner Scrutinies)の異名をとりました。

☆ 1981

公務員省(Civil Service Department)の廃止。公務員省は1968年に設置された省で、公務員を管理する責任を負っていました。しかし、公務員の圧力団体と化し、行政改革の障壁とみなされていました。代わって、内閣府に人事マネジメント庁(Office of Personnel and Management)を設置。

☆ 1982

FMI (Financial Management Initiative)のスタート。各省庁に目標管理の考え方を導入。コストと責任を明確にし、業務の効率化をはかりました。各省庁にマネジメントの気風を浸透させるとともに、公務員を市場基準にさらす狙いです。

☆ 1987

人事マネジメント庁の廃止。

☆ 1988

デレク・レイナーを引き継いだサッチャーの効率性アドバイザー・サー・ロビン・イブス(Sir Robin Ibbs)が、エージェンシー(Executive Agency, Next Step Agency)の設立を提言する報告書 Improving Management in Government: The Next Steps をまとめました。同年、車検局(Vehicle Inspectorate)が初のエージェンシー化。エージェンシーとは、日本で言うところの独立行政法人に近い行政機関で、行政サービスの執行面において、自由な裁量が認められています。

■ 公務員数の大幅な削減に成功

こういった改革によって、公務員の数を大幅に削減することに成功しました。

サッチャー政権が誕生した1979年現在、公務員の数は732,000人でしたが、サッチャーが首相を辞任した1981年には554,000人にまで削減されました。178,000人の削減、24%減です。


今回は以上です。私の力不足であまり進まず申し訳ない思いですが、この記事でもよかったという方は、人気blogランキングをクリックしていただけると嬉しいです。現在15位です。次回はサッチャーの社会保障改革についてお話する予定です。

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[参考にしたもの]

☆ Peter Dorey. British Politics Since 1945. Oxford: Blackwell. 1996.
☆ Michael Barzelay. The New Public Management: Improving Research and Policy Dialogue Oxford: University of Californina. 2001.
☆ Gillian Peele. Governing the UK: British Politics in the 21st Century. 4th ed. Oxford: Blackwell. 2004.
☆ Wikipedia contributors, 'Executive Agency', Wikipedia, The Free Encyclopedia, 13 April 2006, Executive_Agency&oldid=48313035> [accessed 14 April 2006]



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