フリーター、ニートは低学歴者や学校中退者に多い

ニートとフリーターはしばしば一緒くたに論じられますが、ほんまにそれでええのか(関西弁)、ニートとフリーターはどう違うのか。そういう問題意識のもと、毎週月曜日はフリーターについて考えています。

フリーターは、中卒や高卒など、学歴水準が低い者に多いことが、各種調査の結果明らかになっています。また、学校中退者の割合も非常に高くなっています。

フリーターに見られるこうした傾向は、ニートにも共通するものです。

* * * * * * * * * *

■ 中卒・高卒に多いフリーター

表1 学歴別フリーター(1997年現在、単位%)
学歴男性女性
中学15.642.4
高校7.220.0
短大・専門5.112.1
大学・院2.79.6
日本労働研究機構『若者の就業行動に関するデータブック(1)』2002年より作成。

この資料は、フリーターと学歴の関係の説明では、しばしば引き合いに出されるものです。ご覧の通り、明らかに学歴水準が低いほどフリーターの割合は多くなっています。

なお、ここではフリーターは、「15~34歳の非在学で女性は未婚者のうち、アルバイト・パートで働いているか、無業でアルバイト・パートを希望する」者と定義されています。これは、厚労省の定義と同じものです(『平成15年版労働経済の分析』)。

学歴とフリーターとの関係については、厚労省の『平成15年版労働経済の分析』など、他の調査でも同じような結果が出ている場合が多いです。

■ 学校中退者に多いフリーター

表2 フリーター時の学歴(1997年現在、単位%、( )内は実数)
合計(人)高校中退高校卒専門・短大・訓練校中退専門卒短大卒大学中退大学卒院中退・卒業
全体100.0(97)4.147.411.3 7.29.36.213.41.0
男性100.0(34)2.950.05.90.0 0.08.832.40.0
女性100.0(63)4.846.014.311.114.34.83.21.6
日本労働研究機構『首都圏フリーターの意識と実態に関するヒヤリング調査結果の概要』2000年より作成。

学校中退者の割合が多いのも、ご覧の通りです。日本労働研究機構といえば、フリーター類型の一つに「離学モラトリアム型」がありましたね(拙稿「フリーターの類型」)。同研究機構の調査によると、2000年現在で全フリーターに占める離学モラトリアム型の割合は、29.9%にも上りました。かなり大きな割合です。

この他、厚労省がUFJ総研に委託した「若年者のキャリア支援に関する実態調査」(2003年)でも、同じような結果が得られています。

■ こうした傾向はニートと重なる

フリーターのこうした傾向は、ニートのそれと共通しています。

ニートにも、中卒・高卒など比較的学歴水準が低い者や学校中退者の割合が多いのです。このことは、拙稿「ニートは最終学歴と関係がある?」「学校中退者とニート1」で論及済みです。

ニートとフリーターを一緒に論じていいのか、両者はどう違うのか。そういう問題意識のもと、考えてきましたが、ここで両者の共通点が一つ見つかりました。

■ なぜ低学歴者、中退者にフリーターが多いのか

ここでもう少し踏み込んで、どうして低学歴者や学校中退者にフリーターが多いのか、考えてみましょう。といっても、はっきり理由は私には分かりませんが、考えられるものを挙げてみます。

☆ 正社員への道が狭いから

特に学校中退者にとっては、正社員というのはハードルが高そうです。フリーターのほかに生きる選択肢は少ないのかもしれません。

☆ 中卒・高卒の離職率の高さと関係

若者の離職率については、よく七五三などと言われます。中卒・高卒・大卒の入社後3年以内の離職率が、それぞれ7割、5割、3割ということです。いったん離職すると再就職が困難になるから、あるいはこうした離職した若者は「自分探し」をする者が多いからフリーター化する、という理由も考えられます。

ちなみに、日本労働研究機構の調査によると、2000年現在で「離職モラトリアム型」フリーターの割合は、9.3%でしたね(拙稿「フリーターの類型」をご覧ください)。

☆ こらえ性がないから

あまりこういう考え方は好きではないのですが、若い頃に我慢と忍耐を要する受験勉強を経験しなかった中卒や高卒や、途中で学校を辞めてしまった者たちは、こらえ性に欠けている。だからフリーターになるのだ、という見方をする人もいそうです。

■ 私の身の回りのフリーター@学校中退者

私が参加しているひきこもりデイケアは、今や「フリーターデイケア」と化した感があります。

参加しているメンバーの多くは、様々な理由で不登校を経験し、学校を中退した若者たちです。デイケアに通うそういった若者たちは、似た境遇の仲間たちと接しながら、自分たちの将来について考えつつ、まずはアルバイトを始める…といったところでしょうか。

彼らは、対人関係や仕事の継続に自信を持っていない場合が多いように思います。また、学校中退後、社会参加していない期間があるために、いきなり正規雇用はハードルが高かったり、また、就職活動をしても履歴書がネックとなって全滅し、やむなくフリーターをしている人もいます。


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