「真面目」なニート

真面目過ぎる君へ(初回限定盤)(DVD付)
アンダーグラフ 真戸原直人 島田昌典
B000EAV8JI

「こんな真面目な人は見たことがない」

こんなことを言うと、まっとうに働いていらっしゃる方々はお怒りになるかもしれませんが、ニートの私は昔からよく「真面目」と言われてきました。

例えば、小学校~高校の頃などは、掃除時間にみんながさぼっていても、私一人だけ黙々と掃除をしていたりするわけです。先生はこんなことをおっしゃたりもしましたね。

「富氏君は、こんなに真面目に働いている。みんなも見習いなさい!」

ニート生活をしている間も、「真面目」評は変わりません。ひきこもりデイケアでは、人妻臨床心理士・Sさんに「富氏さんって真面目そ~う」と言われました。半年ほど前、あるところに自分の身の振り方について電話相談をしたところ、「とても真面目そうな方という印象を受けるんですけど…」と、ほんの数十分電話で話をしただけなのに、このようなことを言われました。

こんな真面目な男が、どうしてニートなんかやっているのでしょうか? * * * * * * * * * *

■ 案外多い「ニート真面目」説

ニートは怠け者だ、と言われてきた。でも、実際は違う。ニートになる若者は、むしろ大変まじめだ。働く意味を考えすぎて、世の中が怖くなってしまっている。

(玄田有史「フリーター・ニートを考える」、京都産業大学 11月12日講演より(http://www.asahi.com/
kansai/wakuwaku/asahi1130.html))
「ニートはとても真面目である。生真面目といってもいいだろうか。(中略)働いていなくても保護者の庇護の下であれば、明日の食事の心配をする必要はないだろう。それでも、働くことで賃金を得、自立した生活を営みたいと考えているのである。働くことを真面目に考え、考えすぎてしまった結果として立ち止まってしまっているのである」

(工藤啓「ニート支援の現場から」『労働調査』2005年10月号、10ページ)
「非常にまじめ」

(Wikipedia の執筆者たち、「NEET」、『Wikipedia』、最終アクセス2006年4月19日(http://ja.wikipedia.org/wiki/NEET)。
世間の見方とは逆に、ニートは真面目だという説がけっこうあります。

そして、真面目であるがゆえに、働く意味を考えすぎて身動きがとれなくなり、ニートになるというのです。

言われてみれば、私が参加するデイケアのニートひきこもりたちも、ほとんど集まるたびに働くことについて真剣に議論しています。あるデイケアメンバーの1人(男性)を世話しているNPOの方は、彼の印象について「真面目」と語っていました。

私はこれに、別の視点を加えたいと思います。

■ 真面目ニートはセロトニン不足?

以前、「セロトニン~性格は脳内物質と関係がある!?」という記事の中でお話しましたが、ワシントン大学のクロニンジャー教授により、セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンといった脳内物質が性格に影響があるというパーソナリティー理論が体系づけられてきています。この研究は血液型人間学とは違い、学界で広く認められているようです。

パーソナリティー理論によると、セロトニンの分泌量が少ない人は、危険回避(harm avoidance)的な傾向があるそうです。危険回避とは、次のように定義されます。
「将来の問題の予測に対する悲観的な不安、不確実性への恐れのような消極的回避行動、人見知り、疲れやすさ」(pessimistic worry in anticipation of future problems, passive avoidant behaviors such as fear of uncertainty and shyness of strangers, and rapid fatiguability)

(Cloninger CR, Svrakic DM, Przybeck TR. A psychobiological model of temperament and character. Archives of general psychiatry. 1993 Dec;50(12):975-90.)
こうした性格の傾向は、「真面目」と関係がある!というのは、少し無理があるでしょうかね?心配症な人って、真面目で几帳面な人が多いように思うのですが、どうでしょうか。

それにしても、悲観主義、回避行動、人見知りと、ニートに特徴的な性格と一致しているところが興味深いです。

先の玄田氏、工藤氏の話なども踏まえると、「ニートは自分の将来に不安を抱き、働く意味を真剣に考えるが、結局回避行動をとってしまう。それは、彼ら・彼女らのセロトニンの分泌量が少なく、そのために危険回避的になっているからではないか」などという説明もできないまでもなさそうです。

■ 五月病もセロトニン不足

私は、五月病でひきこもっている人もニートに含めて構わないと考えています。会社に行きたくない、学校に行きたくない、新しい環境に適応できずに自信を失いひきこもってしまう…共通することばかりです。

この五月病も、セロトニン不足が原因だというのが一般的な見方です。また、真面目な人ほど五月病になりやすいことが知られています。

■ むすび

ニートは真面目と言われますが、これはセロトン不足が関係しているのではないか…というお話をしてきました。もちろん、ニートといっても色んなニートがいますから一概には言えません。

なお、私は脳科学について素人です。記事の内容には注意を払っていますが、大きな間違いがある可能性もあるので、ご用心あれ。それから、人気blogランキングをクリックしていただけると嬉しいです。現在21位です。

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