心理カウンセラーが、ひきこもりを叱らない理由 (1)

昨日の記事「心理学の勉強してました」でご紹介した心理学の本を読んでいますが、面白いです。

ひきこもりデイケアに一緒に参加している心理カウンセラーの行動原理も分かります!…いや、心理学を勉強すれば人の心が読めるようになるという意味じゃありませんよ。カウンセラーはカウンセリング心理学(Counseling Psychology)など、心理学の理論を背景に治療を行っているので(たぶん)、その背景が分かるようになるという、そういうことです。

例えば、デイケアでは、カウンセラーがひきこもり参加者たちを叱ったり否定したりせずに、ひきこもりを基本的に無条件で受け入れようとしています。これには、ロジャース(C. Rogers, 1902-1987)が創始した来談者中心療法(Client-Centered Therapy)の考え方が背景にあるものと思われます。

カウンセラーのこういう姿勢に対しては、保守派からの反発がありそうです。「ひきこもりを甘やかすな!厳しく叱りつけて社会に引っ張り出すべきだ」と。 * * * * * * * * * *

■ 来談者中心療法って何ぞや

来談者中心療法は、アメリカの心理学者ロジャースが展開した心理療法です。セラピストは、クライアントと「無条件の肯定的関心」(unconditional positive regard)をもとにした温かい関係を築き、クライアント自身が問題を解決できるよう手助けします。

★ 無条件の肯定的関心

分かりやすく言えば、あなたのことを無条件で受け入れますよ、ということです。

例えば、「あなたは勉強ができるから好き!」だとか「あなたはイケメンだから好き!」だとかいうのでは、勉強ができなくなったりイケメンでなくなったりしたら好きではなくなるかもしれないわけで、条件付でその人のことを受け入れていることになります。

そうではなく、勉強ができまいが、イケメンでなかろうが、ひきこもっていようが、昼夜逆転していようが、とにかくあなたのことが好きですよ!というのが「無条件の肯定的関心」ということになります。

セラピストがクライアントに無条件の肯定的関心を示すためには、セラピストはあれこれ指図したり、提案したりしてはいけません。叱りつけるなんて論外です。

★ ひきこもりは、結局自分で解決するのだ

無条件の肯定的関心が向けられたクライアントは、自分の問題(例。ひきこもり)と自由に向き合うことができるようになります。来談者中心療法のゴールは、まさにここにあります。

こうなると、セラピストの役割は、クライアントの問題を解決することではなく、本人がその問題を解決できるよう、無条件の肯定的関心を向ける…ということになります。

結局、ひきこもりを解決するのは、最終的には本人ということでしょう。

★ エンカウンターグループ

ロジャースさんという人はなかなか気が利く人のようで、クライアントが自分自身で問題を解決できるような温かい環境を、わざわざ用意してやろうと考えました。

それが、エンカウンターグループ(encounter groups)です。"encounter groups" には、辞書によっては「出会い集団」なる、何やらいかがわしいものを想像させるような訳語が載っていたりしますが、少なくともネット上では「エンカウンターグループ」の訳語の方が一般的のようです。

内容は、同じ問題を持った者が集まり、問題を共有するものです。

とすると、私が参加するひきこもりデイケアも、心理学ではエンカウンターグループと呼ばれるものなのでしょうか?ふーむ。

(つづく)

何やら私自身の勉強日記のようなものになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?素人が書いているもので、内容に誤りがあるかもしれません。よろしければ、人気blogランキングへクリックを。現在25位あたりです。

人気blogランキングへ


[今日思ったこと]

心理学用語って、少なくとも今日紹介したものを見る限り、訳がこなれていないものが多いですね。「無条件の肯定的関心」って、もう少しうまい訳がないものでしょうか。「出会い集団」なんて、最悪です。

[関連記事]

★ 心理カウンセラーが、ひきこもりを叱らない理由 (2・完)

[参考にしたもの]

■ 本

★ Hayes, N. (2003). Teach Yourself Psychology. (3rd ed.). Chicago: McGraw-Hill, 14-19.
★ 上と同じ本, 250-251. ←分かりません。APAスタイルでは、いったいどういう書き方をするべきなのでしょうか。勉強しなくては。
★ Hayes, N. (2003). Applied Psychology. (2nd ed.). Chicago: McGraw-Hill, 70-72.

■ ウェブサイト

★ Wikipedia contributors (2006). Carl Rogers. Wikipedia, The Free Encyclopedia. Retrieved May 9, 2006 from http://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Carl_Rogers&oldid=50787948.



スポンサーリンク

トラックバック

URL :

最近の記事
カテゴリー
カレンダー(月別)
09 ≪│2017/10│≫ 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
RSSフィード
本など
「ニート」って言うな! (光文社新書)

若年者就業の経済学
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
心と身体
129位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
9位
アクセスランキングを見る>>
リンク
このサイトについて

このサイトはリンクフリーです。張るのも剥がすのもご自由になさってください。相互リンクは現在募集しておりません。

携帯用アドレスを取得されたい方は、「こちら」をクリックしてください。

このブログのリンク先のご利用につきましては、ご自身の責任のもとでお願いします。なお、本等のリンクについては、Amazon.co.jpのアフィリエイトプログラムを導入しています。

なお、「富条」はハンドルネームです。本名は全く違う名前です。

メールは nhjournal77@yahoo.co.jp まで。