学力低下とフリーター、どの程度関係があるの?

経済協力開発機構(OECD)が2003年に41カ国・地域の15歳に実施した調査では、日本は数学的応用力が前回2000年の1位から6位に、読解力は8位から14位に下がった。学習意欲や習慣の低下・欠如も深刻だ。

(中略)

「格差社会」論議で焦点にされるニートやフリーターも、これらとは無縁ではないだろう。

『日本経済新聞』2006年5月8日の社説より。

ニートやフリーターには低学歴者に多いというのは、これまでこのブログでお話してきたとおりです(例。「フリーター、ニートは低学歴者や学校中退者に多い 」)。まだ詳しい分析はしていないのではっきりしたことは言えませんが、確かに、学力、学習意欲、習慣の低下・欠如とニート、フリーターとは無関係とは言えないのかもしれません。

ただ、私はひねくれ者です。人とは反対のことを言ってみたくなる変わった性格なので、上の社説とは違うことをお話してみたいと思います。

※ ニートは定義にいろいろ問題がありますし、とりあえずここでは置いておきます。

■ フリーターは減っている

02年 209万人
03年 217万人
04年 213万人
05年 201万人

上は、総務省統計局「労働力調査」や厚労省の『労働経済の分析』をもとにした、フリーターの数の推移です。ご覧の通り、フリーターの数は減少しています。若者の学力や意欲の低下がこれほど叫ばれているにも関わらず。 * * * * * * * * * *

■ 「ゆとり教育」世代を積極的に採用しようとする企業

来春卒業見込みの大卒・高卒は、これまでの世代よりも「ゆとり教育」の影響を強く受けており、一般に学力水準が低いと考えられています。この世代を、企業は非常に熱心に採用しようとしています。そのためか、就職内定率も改善しています。

一方、私たちの世代は「ゆとり教育」の影響を上記の世代ほど強く受けませんでしたが、企業はあまり採用しようとしませんでした。就職内定率も悪く、フリーターの数もこの世代で増加しています。

何が言いたいのかと言うと、その時代の学生の学力がどうあれ、企業があまり正社員を採用しようとしないと、どうしてもフリーターにならざるを得ない層が出てくるのではないかということです。

俗っぽい言い方をすると、景気ですね。ここ数年フリーターの数が減少しているのも、景気が回復してきたからだろうという説明がなされています(ただ単に若者の数が減っているからとか、他の理由もあるのでしょうが)。

■ どの時代に就職活動をするかによって、就職の良し悪しが大きく左右される

結局、世代ということで考えれば、その世代がよく勉強しているかどうかというよりも、景気要因の方がフリーターの数に影響があるのかもしれません。

少し話がずれるかもしれませんが、私の出身大学・学部では、バブル期に就職した先輩の就職率はほぼ100%で、びっくりするような一流企業に就職した先輩も多いです。ところが就職氷河期になると、それがひどいことになっています。ちなみに、私の出身学部は、少なくとも私が知る限り30年ほど前から偏差値がほとんど変わっていません。

私の親の勤務先は一部上場企業!…の子会社ですが、就職氷河期になると、会社設立以来未曾有の高学歴者が多数入社したそうです。親はこう言っていました。「あんな大学出てまで、こんな会社に入らないといけないのだろうか。よっぽど就職先がなかったのだろう」

■ 「艱難汝を玉にす」と言ってみる

『貧乏クジ世代-この時代に生まれて損をした!?』なんて本がありますが、ここまで書いて、なんだか自分は損な時代に生まれてきたような気もしないまでもありません。

学校は週6日が普通。教科書に学ぶことの量も今の世代に比べて多かったはずです。これだけ勉強していながら、今の世代に比べて簡単に大学には入れませんでしたし、就職することも難しかったのです。お前たちは貧乏クジを引いて生まれてきた世代なんだ!と言われれば、そういう気もしないまでもありません。

ですが、ちょっと負け惜しみを言ってみましょう。バブル期に大量入社した世代はその後苦労している例も多いと聞きます。「若い頃の苦労は買ってでもせよ」「艱難汝を玉にす」「人生は重き荷を負うて遠き道を行くが如し。急ぐべからず」結局最後は、若い頃に苦労をした者が勝つのです。


最後まで読んでくださりありがとうございました。昭和恐慌の頃などは、身売りが流行ったんですってね。それに比べると、私たちはまだましなのかもしれません。最後に、人気blogランキングへのリンクを張っておきます。現在20位あたりです。

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