フリーターになった理由、ニートになった理由

「ニートひきこもりJournal」というブログでどうして「フリーター」のお話をしているのかというと、ニートとフリーターとの間に、いったいどういう関係があるのかを調べるためです。

ですが、先週の記事「学力低下とフリーター、どの程度関係があるの?」は、趣旨とは少し離れてしまいました。たまには、こういうこともあります。

今回は、フリーターになった理由とニートになった理由を比較しています。

なかなかフリーターとニートを比較した統計というのが見つからなくて、比較も上手にはできませんでしたが、一つだけはっきり分かったことがあります。それは、健康上の理由でニートになった者は多いのですが、フリーターの場合は少ない、ということです。 * * * * * * * * * *

■ フリーターになった理由

まずは、フリーターの若者たちが、どうしてそうなったのかを見ていきます。

以前、「フリーターの類型」の中で、「フリーターになる理由を基準とする類型」として、日本労働研究機構「フリーターの意識と実態」(2000年)によるフリーター類型をご紹介しました。これが、フリーターになった理由とその割合を示す資料として使えそうです。この類型を、割合の多い順に並べ替えてみます。

1 職業や将来に見通しを持たずに教育機関を中退・修了し、フリーターとなったタイプ。 29.9%
2 バンドや演劇、俳優など、芸能関係を志向してフリーターとなったタイプ。 16.5%
3 正規雇用を志向しつつフリーターとなったタイプ、特定の職業に参入機会を待っていたタイプ、および比較的正社員に近い派遣を選んだタイプ。 13.4%
3 学費稼ぎのため、または次の入学時期や就職時期までといった期間限定の見通しを持ってフリーターとなったタイプ。 13.4%
5 ケーキ職人、バーテンダー、脚本家など自分の技能・技術で身を立てる職業を志向してフリーターとなったタイプ。11.3%
6 離職時に当初の見通しがはっきりしないままフリーターとなったタイプ。9.3%
7 本人や家族の病気、事業の倒産、異性関係などのトラブルが契機となってフリーターとなったタイプ。 6.2%

■ ニートになった理由

一方、ニートになった理由です。以下でご紹介するのは、(株)UFJ総合研究所「若年者のキャリア支援に関する実態調査」(厚生労働省委託、2003年)です。

先ほどの調査とは違って複数回答ですし、調査年次も違いますし、そもそも先ほどご紹介したものとは全く違う調査なので、これで比較はどうかと私も思うのですが、他に適当な調査が見つからないので仕方がありません。

求職活動をやめてしまった理由(無業者、複数回答)

1 健康上の理由 31.1%
2 希望する就職先が見つからなかったから 27.3%
3 仕事に就いてうまくやっていける自信がなくなったから 23.2%
4 ほかにやりたいことができたから 17.3%
5 希望する就職先があり、求職活動をしていたが、なかなか決まらなかったから 10.5%
6 なんとなく 10.4%
7 家事・育児や介護などで忙しくなったから 9.4%
8 仕事に就く必要がなくなったから 4.1%
9 家の仕事を継ぐことになったから 0.4%
※ その他 10.4%

■ 比較して分かったこと

全く違った調査の比較ですから、無理があります。質問項目も違いますし。

ですが、明らかに分かることが一つあります。それは、健康上の理由による者の差です。フリーターの場合、「本人や家族の病気、事業の倒産、異性関係などのトラブルが契機となってフリーターとなったタイプ」が6.2%ですから、健康上の理由でフリーターになった者は、割合としてはかなり少ないものと思われます。一方、ニートの場合「健康上の理由」が31.1%で、求職活動をやめてしまった理由としては最も多いです。

はっきり分かることは、これぐらいでしょうか。

フリーターになった理由で最も多い「職業や将来に見通しを持たずに教育機関を中退・修了し、フリーターとなったタイプ」(29.9%)は、求職活動をやめてしまった理由(≒ニートになった理由)では対応するものがありませんよね。強いて言えば、「なんとなく」(10.4%)でしょうか。

「バンドや演劇、俳優など、芸能関係を志向してフリーターとなったタイプ」(16.5%)、「ケーキ職人、バーテンダー、脚本家など自分の技能・技術で身を立てる職業を志向してフリーターとなったタイプ」(11.3%)を合わせて「夢追求型フリーター」とすると、その割合は27.8%になります。こういう夢を追求しながら、アルバイトもせずに無業を続けているとニートに分類されますが、上記のニートに対する質問項目だと「ほかにやりたいことができたから」(17.3%)「希望する就職先があり、求職活動をしていたが、なかなか決まらなかったから」(10.5%)あたりが対応するのでしょうか。ニートにも「夢追求型」が多いと見ていいのでしょうか。しかし、この比較だけだと、ちょっと無理がありますね。

ニートになった理由のうち、「希望する就職先が見つからなかったから」(27.3%)は、フリーターになった理由では「正規雇用を志向しつつフリーターとなったタイプ、特定の職業に参入機会を待っていたタイプ、および比較的正社員に近い派遣を選んだタイプ」(13.4%)「学費稼ぎのため、または次の入学時期や就職時期までといった期間限定の見通しを持ってフリーターとなったタイプ」(13.4%)あたりが対応していそうです。こうした希望する就職先さえあれば、就労が可能な層も少なくはないようです。

最後に、ニートになった理由のうち、「仕事に就いてうまくやっていける自信がなくなったから」(23.2%)は、フリーターになった理由では、どのあたりが対応しているのでしょうか。「離職時に当初の見通しがはっきりしないままフリーターとなったタイプ」(9.3%)あたりでしょうか。ニートというと、人間関係など、働く自信がなくなった者が多いと言われますが、フリーターの場合はどうなのでしょうか。


今日はちょっと長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。ごちゃごちゃと長すぎて、人気blogランキングにクリックしてくださる方が、さらに減ってしまわないかと心配です。アクセス数は着実に増え続けているのに、ランキングは現在31位と、相変わらず低迷しています。

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