イギリスNEETと怠学

ニート―フリーターでもなく失業者でもなく
ニート―フリーターでもなく失業者でもなく


学校時代の状況もニートに暗い影を落とす。学業成績、不登校など、学校時代の状況がニートへのなりやすさと強い関連を持っている。

(玄田有史「『ニート』という言葉」、玄田有史、曲沼美恵『ニート-フリーターでもなく失業者でもなく』、幻冬舎、2004年、28ページより。)

これは、玄田氏がイギリス政府が最初に NEET を正面から取り上げた報告書 Bridging the Gap をもとに、イギリスの NEET を記述した内容の一部です。

こんなことを言うと人のあら捜しをしているようでなんですが、上の「不登校」という言い方は誤解を招きます。「怠学」「無断欠席」という言い方の方がより適切ではないかと私は思います。
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キャリアサービスに登録されている16-19歳の失業者の53パーセントは、高い怠学率と芳しくないGCSEの成績の中学校の管轄区域から成る居住地域に住んでいた。

Fifty-three per cent of unemployed 16-19 year olds registered with the Careers Service lived in the two postcode areas comprising the catchment area of the secondary school with the highest truancy rate and the poorest GCSE results.

上の文章は、Bridging the Gap のものです。日本語訳は私がしましたが、訳の品質は保証しません。GCSE とは、16歳を対象とした全国的な中等教育検定試験です。

「怠学」と "truancy" の太字は私によるものです。この "truancy" という単語は Bridging the Gap に何箇所か出てきます。玄田氏は、おそらくこの "truancy" を「不登校」と訳したものと思われます。

■ truancy には「怠学」「無断欠席」の意味合いがある

truancy は、「不登校」と訳されることがあります。しかし、「School Phobia-学校恐怖症(2)」で以前お話しした通り、これは「怠学」「無断欠席」の意味合いが含まれていることに注意する必要があります。
truancy、school phobia、school refusal の包含関係
truancy と似て非なる言葉に、"school phobia" があります。これには、「学校恐怖症」の意味合いがあり、離人恐怖症や社会恐怖症(社会不安障害)など神経症のような問題で学校に行くことができない子どもたちを指します。もちろん、怠けたりなんだりして通わないわけではないですから、truancy とは明確に区別されます。

最近ポピュラーなのは、"school refusal" という言葉です。これは、"school phobia" を含んだ、様々な理由で学校に行くことができない子どもたちを意味する言葉です。これも、truancy とは明確に区別されます。イギリスでも不登校は問題になっているのです。

Bridging the Gap では、school refusal や school phobia ではなく、わざわざ truancy という単語を使っているのですから、ここは「不登校」というよりはむしろ「怠学」「無断欠席」と訳すべきだと思います。

Bridging the Gap が言いたかったことは、NEET と不登校の関係というよりはむしろ、NEETと怠学、無断欠席との関係です。

■ 不登校からNEETになる子どもは?

では、怠学ではない、学校に行きたくても行けない school refusal 不登校の子どもたちがNEETになることはイギリスではあるのでしょうか。

これについては、現在調査中。

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