フリーター、ニートは15-34歳限定

厚生労働省や内閣府が推計するフリーターやニートの数は、しばしば引き合いに出されます。

注意しなければならないのは、こうした政府の推計には、15-34歳という年齢制限があることです。

例えばフリーターの場合、「年齢15〜34歳、卒業者、女性については未婚者に限定し、さらに、(1)現在就業している者については勤め先における呼称が『アルバイト』又は『パート』である雇用者で、(2)現在無業の者については家事も通学もしておらず『アルバイト・パート』の仕事を希望する者」(平成15年版『労働経済の分析』)として推計されています。

ですから、例えば、34歳でアルバイトのみで生計を立てている人はフリーターに数えられますが、35歳になると、数えられなくなります。ニートについても同様です。

表1 フリーター人口の推移(単位:万人)
フリーター
02209
03217
04213
05201
厚生労働省『平成17年版労働経済の分析』、総務省統計局「労働力調査」などにより作成。

上の表は、厚労省が推計したフリーターの数の推移です。ご覧の通り、ここ数年はフリーターは減少しています。メディアはこれを「景気回復の影響」と報道しました。

しかし、実は、15-34歳人口も減少しているのです。

表2 15-34歳人口の推移(単位:万人)
15-34歳人口
023425
033376
043319
053240
総務省統計局「労働力調査より。

* * * * * * * * * *

15-34歳の若者が減ってきているのだから、フリーターが減少するのは当然のようにも思えます。

このように、フリーターの数、ニートの数だけではなく、15-34歳人口に占めるフリーターの割合、ニートの割合も考える必要があります。

そこで、私がこれらを独自に計算してみました。

表3 フリーター、ニートの人口、15-34歳人口、15-34歳人口に占めるフリーター、ニート人口の推移(単位:万人)
フリーター人口ニート人口15-34歳人口フリーター割合ニート割合
004434881.26%
014934801.41%
022096434256.10%1.87%
032176433766.43%1.90%
042136433196.42%1.93%
052016432406.20%1.98%
厚生労働省『平成17年版労働経済の分析』、総務省統計局「労働力調査」などにより作成。

割合で見ても、フリーターは減少傾向にあることが分かります。特に2004年から2005年までの間の減少幅は大きいです。しかし、2005年でも依然として6.20%を占めており、2002年の6.10%に比べると高い水準にあることが分かります。

一方、ニート(若年無業者)は、数の上では高止まりしていますが、割合で見ると増加傾向にあります。

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[追記]

表1〜3ですが、単位の記述をうっかり忘れていましたので、書き足しました。単位は万人です。

それにしても、フリーター、ニートの高齢化が問題になりつつあるのに、18-34歳のフリーター、ニート人口の推移ばかり問題視されていて、35歳以上の人たちが忘れ去られているような気もします。まだそこまで考えるのは早すぎるのかな…?

(08/08/2006)

Comment

[432]

8/9のA新聞8面に『「年長フリーター」滞留』という記事があります。「フリーターは全体としては減少傾向にあるものの、35〜44歳では逆に増加」しているようです。
富氏さんが気にしている通りですね。

フリーターやニートの話が出るときには「受け入れる環境が整っていない」か「本人の努力が足りない」という話になってしまいがちですが、せめて家賃だけでも下がれば非正規雇用でもそれなりにやっていけると思います。みんながみんな、ひたすら働いて結婚して子供を産んで、という生活を送りたいと思っているわけでもないでしょうし。もちろん、結婚したいと思う人は非正規雇用では条件が悪いと思いますけど。

今回の記事の中では、非正規雇用の若年労働者は「正規従業員に比べ、配偶者がいる割合は半分程度にとどまる」そうですが、私からすれば半分いるだけでもすごいことだと思います。

私自身は少子化を悪いことだとは考えていませんし、それぞれが好きなように生きていけばいいと思っています。あまり功を奏さない少子化対策をするぐらいなら、そのお金を雇用対策に回して欲しいです。

とりとめのない文ですいません。

[433] ニートさん、コメントありがとうございます。

なるほど、35〜44歳では逆に増加しているのですか。

景気回復に伴い、地域差はあるものの、地価に反転の兆しが表れています。物価も金利もこれから上昇していくことでしょう。

フリーターの増加が、景気後退に伴う賃金調整の表れなのだとしたら、景気回復でフリーターの数は本来は減少するはずです。しかし、35〜44歳のフリーターにもなると、現実にはなかなか正社員へ登用されることは難しいのではないかと思います。

私は、お上にもっと子どもを産むように押し付けられるのは、どこか抵抗を感じています。結婚しない、子どもを産まない、という選択もあっていいと思います。子どもを持つことの経済的コストが高い現状では、なおさらです。ごく一部に「独身税」を課すべきだという主張もあるようですが、受け入れることはできません。

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