英国NEET政策当局のアクションプラン 'Reaching Out'
私はこの社会的排除防止局のニュースレターを購読しているのですが、昨日12日に 'Reaching Out: An Action Plan on Social Exclusion' というアクションプランを始めたというメールが届きました。
イギリスではメンタルヘルス、10代の妊娠などといった問題が社会的排除や貧困、NEETのリスク要因になります。こうした問題に対するアクションプランをまとめたものが、下記のURLから見ることができる Reaching Out(援助の手を差し伸べる)です。
http://www.cabinet-office.gov.uk/
social_exclusion_task_force/reaching_out/
今回はこのアクションプランについて雑多に書いています。
■ ブレア政権の福祉政策
しばらくイギリスNEETの記事を書かなかったので、復習しますと、もともと社会的排除やNEETの問題は、労働党のブレア政権が熱心に取り組んだ問題です。社会的排除防止局もブレア首相が就任した直後に設置されたものです。
ブレア政権の福祉政策は、社会的弱者を「福祉漬け」にするのではなく、市場原理を重視しつつも個人が自立できるように政府が支援する、「福祉から就労へ」というものです。
9月12日に始まったアクションプランも、社会的に排除されている人たちを社会に受け入れられるように援助しようという内容になっています。
なお、これに先立つ9月5日には、ブレア首相は 貧困と社会的排除について Joseph Rowntree Foundation(※社会政策に関する研究開発を目的とした慈善団体)でスピーチを行い、メディアで取り上げられています。
■ 社会的排除とイギリスNEETは無関係ではない
今回のアクションプランは、社会的排除や貧困の解決を目的としたものです。NEETについては言及はほとんどありませんが、もともとNEETは社会的に排除された人々の一部ですから、無関係ではありません。
もしかすると誤解している方がいらっしゃるかもしれませんのでお話しておきますと、イギリスのNEETは主に貧困層の問題です。NEETの若者の中にはホームレスまでいます。働かなくても食べていけるほど十分に裕福だからNEETであるわけではありません。
■ メンタルヘルス、10代の妊娠、児童保護施設の子どもたち…
このアクションプランで問題にされているのは、メンタルヘルスや10代の妊娠、児童保護施設の子どもたち等です。こうした問題は、社会的排除や貧困のリスク要因になります。今回の報告書は特に最も排除されているグループの人たちに焦点を当てています。
例えば、子どもの頃に親からネグレクト(育児放棄)を受けると、脳の発達に影響があることが、報告書の中で説明されています。こうした虐待を受けた子どもが将来社会的に参加できず、貧困層になる危険があります。危険の芽を早めに摘むことは、このアクションプランの基本原則の1つです。
日本でも、最近格差社会の議論が盛んですが、議論で問題になるのは市場原理、労働市場、若者の勤労意欲などです。ただ、話題にはなりませんが、メンタルヘルスの問題を抱えているために、フリーターやニートにならざるを得ない人が大分いるのではないかというのが私の実感です。将来はこうした問題がさらに大きくなるような気もします。児童虐待件数は増加しているそうですが、こうした虐待された子どもたちの将来も心配されます。
■ イギリスNEETと日本ニート
もともとイギリスには社会階層のようなものがあって、階層によって読む新聞が違うほどです。今回ご紹介した問題以外にも、若い頃の薬物の乱用や民族の問題が社会的排除、貧困、NEETの問題と深く関わっています。
日本のニート問題と一概に比較することはできません。ですが、ともに社会参加していないことに変わりはありませんし、イギリスの事例の研究は、日本のニート問題を考える上で参考になることはあるかもしれません。
急いで書いたので、アクションプランについて記述が不十分になってしまいましたが、また何か気づいたことがあれば後ほど詳しくまとめたいと思います。今回は、とにかく社会的排除防止のためのアクションプランが動き出したというお話でした。
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