ネガティブ思考も捨てたものじゃない?

ネガティブだからうまくいく不安は退治されるべき悪であり、ネガティブ思考よりもポジティブ思考の方がいいに決まってる、というのが世間の常識です。

こうした常識に心理学の切り口から挑戦する本を見つけ、むさぼるように読んでいました。The Positive Power of Negative Thinking(邦訳書『ネガティブだからうまくいく』)という本です。

この本の主張は、ポジティブ思考が全てではなく、人によっては、あるいは状況によっては、不安をうまく生かす "defensive pessimism"(防衛的悲観)というネガティブ思考をとることによって、成功することもできるというものです。

この本が出版されたアメリカはポジティブ思考大国だと私は思っていたのですが、そのアメリカでこのような本が発表されたことに驚きを隠せません。New York TimesWashington Post にも引用されたといいますから、反響は大きかったのかもしれません。

著者の Julie K. Norem 氏は人格心理学の専門家で、同氏のネガティブ思考に関する学術論文は、Journal of personality and social psychology といったトップジャーナルにも掲載されています。この本はどうやらそうした学術雑誌に掲載された論文をもとに、一般向けに編集されたもののようです。怪しげな類の本ではありません(とはいえ、同氏の主張は、心理学の常識からすると少し変わっているのではないかな?とも思います)。防衛的悲観に関する研究は日本の心理学者の間でも行われているようです。

私がどうしてこのような本をむさぼり読んでいたかというと、ほかでもありません。私自身不安が強く、ポジティブ思考よりもネガティブ思考の方が肌が合う人間だからです。 * * * * * * * * * *

私のようなタイプの人間は、自分を変えなくてはならないというプレッシャーが大きいです。不安を感じやすい性質を変えなくてはならない、ネガティブは駄目でポジティブにならなくてはならない、内向的な性格は外向的に変えなければならない、完ぺき主義は改めなければならない。

なぜならば、そうしなければ社会に適応できないのではないかという強迫観念があるからです。

しかし、私個人のことを言えば、不安を感じやすくてもいいんだ、ネガティブでも内向的でも完ぺき主義でも悪いことなんて一つもないんだ、そういう性質でも成功できるんだよ、と言われた方が嬉しいというのが正直なところです。ありのままの自分を肯定されたような思いになります。

「内気」だから成功できる!―内向型性格をプラスに変える仕事のコツ私のように、ポジティブ思考万歳!という世の風潮に馴染めない人には、『ネガティブだから~』は有難い本です。ただし、この本、ネガティブを何でもかんでもいいと言っているわけではないので、注意が必要です。

なお、富条に共感するよ!という方には、本多信一氏(現代職業研究所所長、中小企業診断士)の著作もおすすめです。同氏は、内気な人の間では「カリスマ」とも呼ばれている人で、内気でもその長所を生かすことによって成功する術を説いています。やたらと Amazon.co.jp へのアフィリエイトリンクを貼って恐縮です。

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