大規模調査で、ニートひきこもりの特徴を調べる

場面緘黙症という情緒障害に関する英語圏の論文を読んでいたところ、ニートやひきこもりに関する言説について考えさせられました。

英語圏では最近、場面緘黙症の子供を何十人も集めた大規模で実証的な研究がようやく行われるようになり、初めて場面緘黙症児の一般的な特徴が分かるようになってきたというのです。

それまではそうした研究がなかったので、場面緘黙症は親による虐待で発症するのではないかとか、理論先行で研究が進んでいたようです。しかし、それが近年の上記のような研究の結果、覆されたのです。

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ニートやひきこもりについて言えば、上記のような調査が、これまであまり行われてきませんでした。このため、きちんとした実証研究に基づかないニート論、ひきこもり論というのが広がらざるを得ませんでした(私のブログもそうなのですが)。

例えばニートについて言えば、身近にニートの若者がいる人が「私の知っているニートは、こういう人だ」とブログや掲示板で語ったり、若者の自立支援に関わる人が「私が関わったニートの若者って、こういう人が多いよ」と解説したりするのはよく見かけます。

ですが、できるだけバイアスを排除した、システマティックな大規模調査で、ニートの一般的な特徴をあぶりだす試みというのは、これまであまりなかったはずです。今年の6月になって、厚生労働省がようやく「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究」という大規模調査を行ったぐらいです(この調査も、バイアスが大きいのですが)。

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最近少年による凶悪犯罪が頻繁に報道されていますが、こういう個別の報道だけを見ていると、「最近の少年は凶悪化している」「最近の少年は我慢を知らない」という印象を受けます。しかし、統計によると、少年の凶悪犯罪検挙率は、実は低下傾向にあることが分かります。やはり全体的な傾向、特徴を調べることは、正確な理解のために必要です。

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