元ニートひきこもりの就職先が良くないのは、なぜ?

Arranz, J.M. and García-Serrano, C. (2004). “The influence of previous labour market experiences on subsequent job tenure”, Hacienda Pública Española / Revista de Economía Pública, 168(1), 43-64.

↑ たまたま見つけた、スペインの労働経済学の論文です。

論旨とは直接関係ないのですが、失業者は再就職をしようとしても安定した職に就きにくいことが、経済学者の研究の結果、明らかになっているそうです。

どうしてそうなのかについては、「人的資本仮説」と「シグナリング仮説」による説明があります。

[人的資本仮説]

失業を経験した人は、失業期間中に仕事の生産性が衰えたため(仕事から離れて勘が取り戻せない等)、安定した職に就きたくても企業が雇ってくれない。

[シグナリング仮説]

失業を経験したということは、その人は仕事があまりできないというシグナルになるため、安定した職に就きたくても企業が雇ってくれない。

* * * * * * * * * *

事実かどうか分かりませんが、ニートやひきこもりの人が頑張って就職しようとしても良い就職先は見つからない、見つかるのは、ブラック企業など劣悪な労働環境の所ばかりではないかという話を聞くことがあります。

これは、なぜなのでしょうか。その人がニートひきこもりしている間に、その人の生産性が衰えてしまったからでしょうか(人的資本仮説)。それとも、元ニートやひきこもりであったことが、企業に「仕事ができない」というマイナスイメージを与えてしまうからでしょうか(シグナリング仮説)。

なんとなくシグナリング仮説の方が妥当のような気が私はしますが、こうしたところは経済学者が実証分析をしないと正確なところは分かりません。

* * * * * * * * * *

私がひきこもりデイケアで知り合った人の中には、学校に入り直して、ひきこもりを卒業した人がいました。これも、人的資本仮説とシグナリング仮説のどちらで説明ができるのでしょうか。

教育に人的資本形成の効果があるなら、例え元ニートひきこもりでも、学校を入り直して最終的に卒業した人に対しては、企業は採用にもう少し積極的になってくれてもいいような気もします。でも、やっぱり、元ニートひきこもりというシグナルは大きいのかな…。

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PS 最近、「あなたはヒモに向いています」というスパムメールが私に届きます。心外です。

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