ひきこもり、外食に行く

ひきこもりの子どもって、ほかの人がなんとなくやっていることにつまづくんですよ。たとえば一人で喫茶店に行って、見知らぬウエートレスのお姉さんに「ジュースください」と注文する。こんな簡単なことだけでも、本人にとってはすごい体験なわけです。[1]

(久田恵[ノンフィクション作家])

■ 飲食店恐怖

私は、ひきこもる前からこんな感じでした。大人になってからもそうでした。飲食店に入るのが怖くて怖くて仕方がなかったのです。みんなこういうのは多かれ少なかれ恐怖を感じているんだろうな、と思っていたのですが、久田恵氏によると、ほかの人にとっては「なんとなくやっていること」らしいです。

私は大学生の頃、これでいはいかんということで、頑張って飲食店に入って、注文をして、ご飯を食べる「訓練」をしたものです。ですが、大学生協の食堂に入るのは問題なかったのですが、キャンパス外の飲食店に入るのは結局最後まで怖いままでした。

■ ひきこもりになってから克服

その後、ひきこもりになってしまったのですが、ひきこもりデイケアに通うようになって、飲食店恐怖をもっと意識的に克服するようにしました。デイケア仲間からファミレスでお食事しませんかと誘われたことがきっかけでした。

何度も外食をするようになって、飲食店恐怖をかなり克服できました。ですが、その過程ではいろいろありました。

■ 克服まで色々あった

店の前で入るのを渋ったり、店内では緊張して体が震えたり、やはり緊張のためご飯をこぼしまくったり…。[2]

一度、あるデイケア仲間にファーストフード店へ誘われた時などは、注文の仕方が分からないというトラブルに見舞われました。こういう店に入ったことが、飲食店恐怖のために、これまでほとんどなかったからです。

また、店選びも大変でした。やはり飲食店恐怖のために、どこにどういう飲食店があるかという情報に、これまで無頓着だったからです。

■ ひきこもりのふところ事情

情けない思い出としては、勘定はほとんど「割り勘」だったことです。例えば相手が母校の後輩であっても、いつも割り勘でした。後輩が相手だと、私の場合いつも「自分が払う」と切り出していたのですが、後輩はいつも断り、それでも私が払うと言っても、後輩はまたしても断り、結局割り勘になるというのがいつものパターンでした。

後輩は、少なくとも2~3回は断るのがマナーと考えていたのでしょうか。もしかすると、私のふところ事情に気を遣ってくれたのかもしれません。それにしても、後輩のふところ事情も気になります。何度も誘って、金銭的な負担をどう感じていたのでしょうか。親御さんが払ってくれていたのでしょうか。

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◇ ニート、ひきこもりの外食

[注と参考文献]

[1] 森口秀志、奈浦なほ、川口和正編著『ひきこもり支援ガイド』、晶文社、2002年、82ページ。
[2] 本当の「外食恐怖症」は、もっとひどいそうです。

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