グローバル化する就労支援ビジネス

どうして民営化するのかという話になると、よく「民間企業のノウハウの活用」とか、「財政難ゆえの支出削減」いう根拠が出されます。ですが経済学的に考えると、民営化には、市場の資源配分機能を生かすという面があるのではないかというのが私の理解です(間違っていたらごめんなさい)。

政府に任せると、役所が予算を必要以上に増やそうとしたり、利益団体の圧力があったり、既得権益を政治的に守ろうという動きが出たりして、必要以上にお金(税金)が投入され、経済資源の無駄遣いにつながる恐れがあります(そういえば、「ニート利権」という言葉がありますね)。民間企業に任せ、市場の資源配分機能を活用すると、このような弊害はなくなります。

もっとも、市場の資源配分機能にも限界があります。特に公共的な性格を持つ財・サービスの配分には向きません。民営化というのはなかなか難しいものです。

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"welfare-to-work" は、「福祉から労働へ」と訳されます。働けない人を福祉漬けにするのではなく、できるだけ自立への後押しをしようという、イギリスなどで有名なスローガンです。このやり方を間違えると、昨年北九州市で起きた餓死事件のような悲劇が起るのでしょうが、時代の流れだと思います。

イギリスの経済紙 Financial Times(電子版)の 27日のコラム "Jobless multinationals: welfare-to-work is becoming a globalised business" という記事を一生懸命読んでいました(英語苦手です)。タイトル通り、「福祉から労働へ」がグローバルビジネスになっているという記事です。

「福祉から労働へ」という基本的考え方に基づく就労支援は国際的に民営化が進んでいるようで、特にオーストラリアなどはその代表だそうです。そういえば、日本でもハローワークの市場化テストが行われていました(ですが、民間企業の方がうまくいっていなかったと報道されていたような…)。

記事によると、就労支援ビジネスでも国境を越えた企業の事業活動、買収などが行われているようです。ですが、この記事では日本の企業は出てきませんでした。日本はこういう流れとは無関係だからなのか、それとも何らかの理由で取材の対象外になったからのか、その理由は私には分かりません。記事の中で出てきた Maximus や Rescare、A4e といった企業について調べてみましたが、HPを見る限り、日本では事業展開していないようです。

記事の中で、"work-first" "work first" という言葉が出てきます。失業者に職業訓練を受けさせても、たいていお金がかかるし成功しないので、とにかく何かの仕事に就かせる、ということだそうです。考えさせられます。

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