英米のパラサイトシングル

Boomerang Nation: How To Survive Living With Your Parents...the Second Time Around日本には相互依存の文化があるのに対し、欧米には自立の文化がある。このため、そこそこの年齢の若者が親と一緒に過ごすなんてことは欧米では考えられない。欧米にひきこもり問題がないのもそのため(ただ、若年ホームレスは多い?)と私は思い込んでいました。

しかし、これはとんだ心得違いだったようです。英米では「ブーメラン世代」(Boomerang Generation)といって、大学を卒業後、親元にブーメランのごとく戻って来て、働きながらも親に経済的に頼る若者が増えているそうです。英米のパラサイトシングルといったところでしょうか。

私がブーメラン世代のことを知ったのは、先週・先々週に放送されたNHKラジオ「ビジネス英会話」を聞いたのがきっかけでした。その後、インターネットでニュース関連のサイトを検索したところ、USATODAYWashington PostFinancial TimesGuardian といったアメリカやイギリスの新聞社のサイトが数多くヒットしたので、なるほどこれは間違いなさそうだと納得したわけです。

ブーメラン世代がなぜ増加したかというと、若者に自立するだけの経済的余裕がなくなったからというのがオーソドックスな説明です。特にアメリカでは、大学の学費の高騰が深刻な問題になっていると聞きます。例えば、多額のローンを抱えたまま大学を卒業し、少しでも生活費を節約してローンの返済にあてるべく、親と同居の道を選ぶわけです。そして、それに同意する親もいるわけです。

* * * * * * * * * *

The Age of Independence: Interracial Unions, Same-sex Unions, and the Changing American Family一方、違った見方をする研究者もいます。スタンフォード大学の Michael Rosenfeld 准教授(右の本の著者)がアメリカの国勢調査資料を1880年まで遡って調べたのですが、より広い歴史的な観点で見ると、ブーメランの増加はとるに足りないものと主張しています。

[親と離れて暮らす 20-29歳の独身者の割合]

1880年 19%
1950年 11%
2005年 41%

[親と一緒に暮らす 20-29歳の独身者の割合]

2000年 男42% 女36%
2005年 男46% 女39%

それにしても、アメリカでは、親と離れて暮らす若者はどうやら戦後に増えたようですね。2000年でも親元に戻る若者が40%前後いて、若者の親との同居はアメリカにおいても決して珍しくないことが分かります。なにはともあれ、私は認識不足でした…。

[数字の出典]

Jayson, S., (2007, Mar 13). Analysis: 'Boomerang' generation mostly hype. USATODAY. Retrieved March 3, 2008 from
http://www.usatoday.com/news/nation/
2007-03-13-analysis-boomerang_n.htm

スポンサーリンク

トラックバック

URL :

最近の記事
カテゴリー
カレンダー(月別)
07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
RSSフィード
本など
「ニート」って言うな! (光文社新書)

若年者就業の経済学
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
心と身体
115位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
5位
アクセスランキングを見る>>
リンク
このサイトについて

このサイトはリンクフリーです。張るのも剥がすのもご自由になさってください。相互リンクは現在募集しておりません。

携帯用アドレスを取得されたい方は、「こちら」をクリックしてください。

このブログのリンク先のご利用につきましては、ご自身の責任のもとでお願いします。なお、本等のリンクについては、Amazon.co.jpのアフィリエイトプログラムを導入しています。

なお、「富条」はハンドルネームです。本名は全く違う名前です。

メールは nhjournal77@yahoo.co.jp まで。