「人は変わる」

私が参加するひきこもりデイケアで、あるメンバー(私の年下)に、「人は変わる」という話をずいぶん前に何度かしたことがあります。

つまり、僕が君ぐらいの年齢だった頃、今の君よりも人と話すことができなかった。小学校~高校の頃は、もっとひどかった。しかし、今はこの通りだ。人間変わるものだ。だから君だって分からないぞ、という話でした。

元気づけるつもりで言った言葉でしたが、今にして思えば、もう少し考えて言うべきでした。まるで、人は自然に変わると言っているようです。

私がかつて人と話ができなかったのは、場面緘黙症という、学校など特定場面で発話ができない情緒障害を持っていたからです。ところが場面緘黙症は年齢とともに自然に治ってしまうことがあり(ですが早いうちに治すことが重要です)、私が話せるようになったのも、この情緒障害の特性によるところが大きかったです。

それなのに、君も変わるかもしれないなどと、相手が場面緘黙症でもないのに自分の経験を引き合いに出してあのようなことを言ったのは、間違いだったのではないかと思うのです。

* * * * * * * * * *

とはいえ、人は年月とともに変わることは多いです。

新たな人や本との出会い、環境の変化、大きな出来事といった外的なものの影響によって変わることもあるでしょう。こうした影響によって知らず知らずのうちに変わってしまうこともあれば、影響を受けて自ら努力し、変わるということもあるでしょう。

精神疾患など何らかの病気や障害が治って、あるいはそうしたものにかかって、変わることもあるでしょう。

以上のようなものではないけれども、自らの意識により、自分を変えようとして変わることもあるでしょう。

ひきこもっていると、出会いなど、外的なものの影響によって変わることはあまりなさそうです。あるとすれば、親など家族の接し方の変化で、これはひきこもり者の内面や行動に何らかの影響を与える可能性があります。ひきこもりデイケアのその人に「人は(良い意味で)変わる」と言うのであれば、一般には病気を治すとか、自分から意識して変えるとか、そうしたことをしなければ、ひきこもり者の場合はなかなかそうはならないと思うと、付け加えると良かったかもしれません。

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