「適職信仰」「受身」「やりたいこと志向」

安達智子「大学生のキャリア選択-その心理的背景と支援」『日本労働研究雑誌』No.533、2004年12月、27-37ページ。

※ 上記論文は、独立行政法人・労働政策研究・研修機構のウェブサイトから無料で読むことができます。

↑ 若者に特徴的なキャリア意識として指摘される「適職信仰」「受身」「やりたいこと志向」が数値化され、若者の「適職信仰」や「やりたいこと志向」が高いこと、「受身」の意識が低いことが客観的に示されています。「受身」の意識が低いことは、意外に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、たしかに、「若者に適職信仰が強い」などとよく言われてはいますが、これは実際には「(現代の)若者に適職信仰が強い」という意味でしょう。ですから、現代の若者のキャリア意識を調べるだけでなく、過去の若者のそれと比較できればなお面白いのですが、さすがに今回の論文ではそこまでは行われていません(この論文の目的からすると、そうした比較は必要ないでしょう)。

この論文では、適職信仰は若者の就職未決定にプラス、マイナスいずれの影響も与えないことや、やりたいこと志向が就職未決定に抑制的に働くことなど、統計学的分析により、世間で一般に語られていることとは違った結果が明らかになっており、興味深いです。論文の中で行われていることは、心理的な指標を用いたり統計学的な検定を加えたりと、心理学論文ではおそらくオーソドックスなことなのでしょうが、俗説がまかり通りやすそうな若者の労働問題を批判的に考えるためにも、こうした学術的な論文には一読の価値があります。

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