未成年の家出、4人に1人が無職

「ひきこもりは家から追い出せ」という意見をときどき耳にしますが、中には、親の同意無く自ら家を飛び出す無職の若者もいます。

警視庁(東京都の警察機関)の調べによると、平成19年に保護された19歳以下の家出少年(ここでは少女も含む)は799人で、そのうち195人(24.4%)が、学校に通わず、仕事もしていない無職者だったそうです。義務教育を終えた無職の高卒者や中卒者(15~19歳)と思われます。19歳以下人口に占める無職者の割合を考えると、この24.4%という数字は大きいです。

※ なぜ19歳以下に限定しているのかというと、警視庁の統計に従っているためです。20歳以上の家出の統計は警視庁は別扱いにしており、しかも私の手元の資料では、詳細があまり分かりません。

■ 女子にやや多い

男女別に見ると、保護された家出少年799人のうち、男子が372人(46.6%)、女子が427人(53.4%)です。そして、その中の無職少年195人のうち、男子が80人(41.0%)、女子が115人(59.0%)となっています。過去からの推移を見ても、一貫して女子の方がやや多いです。無職少年の家出のみならず、少年の家出そのものが、女子優位です。

なお、東京都の調べによると、東京都の19歳以下の人口は、全ての年齢において、男子が女子を若干上回っています(平成19年)。 * * * * * * * * * *

■ 過去からの推移

家出少年の数、そのうち無職少年の数の推移は、以下の通りです(警察庁調べ)。

[平成14年]

家出少年999人、男491人(49.1%)、女508人(50.9%)
そのうち無職263人、男126人(47.9%)、女137人(52.1%)
無職少年の占める割合は26.3%

[平成15年]

家出少年1,066人、男478人(44.8%)、女588人(55.2%)
そのうち無職274人、男128人(46.7%)、女146人(53.3%)
無職少年の占める割合は25.7%

[平成16年]

家出少年870人、男394人(45.3%)、女476人(54.7%)
そのうち無職224人、男101人(45.1%)、女123人(54.9%)
無職少年の占める割合は25.7%

[平成17年]

家出少年822人、男373人(45.4%)、女449人(54.6%)
そのうち無職205人、男92人(44.9%)、女113人(55.1%)
無職少年の占める割合は24.9%

[平成18年]

家出少年816人、男363人(44.5%)、女453人(55.5%)
そのうち無職204人、男86人(42.2%)、女118人(57.8%)
無職少年の占める割合は25.0%

[平成19年]

家出少年799人、男372人(46.6%)、女427人(53.4%)
そのうち無職195人、男80人(41.0%)、女115人(59.0%)
無職少年の占める割合は24.4%

無職少年の家出の絶対数、家出少年全体に占める割合、いずれも減少傾向にあります。景気の回復を反映したものでしょうか。また、無職少年の家出のうち、女子の占める割合が一貫して上昇しています。

■ 原因は?

無職少年の家出の実態について知りたいのですが、私の持つ限りの統計資料では詳細が分かりません。無職少年の家出の原因も、私の持つ統計資料では分かりません。

無職少年に限らず、少年の家出全体で見れば、「親子間不和」(799人中172人)、「家族等叱責」(129人)、「怠惰放蕩」(124人)が原因の上位に挙がります(平成19年、警視庁調べ)。

ある本は、家出を「子ども自身の自立への欲求と実際の自立能力とのアンバランスから起る行動」と解説しています(谷田貝, 2005)。自立できないひきこもりの私からすると、考えさせられる行動です。もっとも、10代の家出と、私のような年齢のひきこもりは、また違う問題なのかもしれませんが。

■ 無職少年の家出と、無職でない少年の家出に何か違いは?

無職少年の家出と、無職でない少年の家出の間で何か傾向に違いがないか知りたいのですが、手がかりとなるデータが少なく、よく分かりません。

■ なぜ無職者が多い?

なぜ家出少年に無職者が多いのかも気になるのですが、これも、よく分かりません。

無職の家出少年はもともと何かの職に就いていたところ、家出を思い立った時にその職を辞めたため、保護されたときは無職だったというそれだけのことでしょうか。しかし、未成年者が仕事を辞めるには親の同意が必要ではないかと思うのですが(違ったらごめんなさい)。

考えられる理由としては、まず、職場や学校に属しているということが、家出を抑止する効果があるからなのかもしれません。

少年が無職であると親子関係が悪化しやすく、ひいては家出につながりやすいのかもしれません。

特に自宅にひきこもっているような無職少年の場合、家族との関係が対人関係の多くを占めることになります。このため、親子関係が悪化した場合、少年への影響が大きく、家出という問題が起りやすいのかもしれません。

また、無職の少年は、働いていたり学校に通っていたりする少年に比べると、今自立することへのプレッシャーが強いことでしょう。そのプレッシャーが、家出という行為に向かわせたのかもしれません。

他に考えられる理由としては、無職の少年は、もともと家出に発展するほど親子関係が悪い家庭環境で育った場合が多いからなのかもしれません。

いずれにせよ、分からないことが多いです。

[文献]

◇ 谷田貝公昭(編)(2005)『図解 子ども事典』、一藝社。



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