OECDも関心を寄せるNEET

NEETという言葉は、いまや、国際機関であるOECD(経済協力開発機構)の報告書の中にも見られます。

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日本のみならず、韓国、英国、スペイン、ニュージーランドなど、他のOECD加盟国のNEETにも関心が寄せられていることが分かります。

■ 日本のNEET率は7.6~8.8%?

先月も、OECDから Jobs for Youth: Japan という報告書が出たのですが(読んでません)、そのプレスリリースに、日本のNEET率とOECD加盟国平均のニート率の推移が示されています。

Jobs for Youth: Japan のプレスリリース
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このプレスリリースによると、日本の15-24歳のNEET率が7.6~8.8%となっており、高すぎるような気もします(それでも OECD加盟国の平均よりはずっと低い水準です)。これは、OECDがNEETを文字通り、「就業、教育、職業訓練、いずれにもない」(neither in employment nor in education or training)者と定義し、集計しているためでしょう。この定義だと、求職中の失業者や、家事従事者(専業主婦・主夫含む)などもNEETに含まれることになります。これは、英国のNEET概念に近いと言えます(NEETは英国発祥の言葉です)。

日本の厚生労働省、内閣府によるニートの定義ではこうした者は含めません。このため、ニート率はOECDの数字に比べるとずっと低い水準です。

* * * * * * * * * *

◇ 厚生労働省

日本の厚生労働省によるニート(若年無業者)の定義は「非労働力人口(15-34歳)のうち、家事も通学もしていない者」であり、これをもとに、例えば2007年の15-24歳のニート率を計算すると、1.8%です(1,358万人中25万人。「労働力調査」より)。求職中の失業者や家事従事者を除いているため、OECDのNEET率に比べるとずいぶんと低いです。

◇ 内閣府

また、内閣府によるニートの定義は以下の通りです。

表 無業者とその類型についての定義(「非求職型」と「非希望型」がニートに相当
呼称定義
無業者(通学、有配偶者を除く)高校や大学などに通学しておらず、独身者であり、ふだん収入になる仕事をしていない、15歳以上34歳以下の個人(予備校や専門学校などに通学している場合も除く)
求職型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明し、求職活動をしている個人
非求職型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明しながら、求職活動はしていない個人
非希望型無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明していない個人
資料:内閣府政策統括官編「若年無業者に関する調査(中間報告)」表1「無業者とその類型についての定義」より作成。

これをもとに、例えば2002年の15-24歳のニート率を計算すると、2.4%です(1,515万人中36万人。「就業構造基本調査」より)。こちらの定義は未婚の家事従事者もニートに含めているのですが、専業主婦や求職中の失業者を除いている分、やはり、OECDのNEET率に比べるとずいぶんと低いです。

■ 日本のニートはディスカレッジド・ワーカー(求職意欲喪失者)?

なお、上記プレスリリースにある "residential training camp for discouraged youth" は、訳せば「意欲をそがれた若者のための合宿所」といったところです。文脈から、若者自立塾のことと思われます。"discouraged youth" とありますが、OECD は日本のニートをディスカレッジド・ワーカー(求職意欲喪失者)と捉えているのでしょうか。

[関連記事]

◇ ニートと似た言葉「求職意思喪失労働者」
◇ 仕事を欲しながら、職探しをしない人

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