『思春期ひきこもりに対する精神科医療・精神保健・障害福祉分野の実践家用ガイドライン』の編纂

『思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究』という報告書を先日手に入れ、読んでいました(もっと早く読みたかった)。

これは、「こころの健康科学研究事業」として、厚生労働省から科学研究費補助金が出たひきこもり研究の、平成19年度の報告書です。厚労省からの配分された科研費の額は、平成19年度で1200万円だったそうです。

厚生労働省:平成19年度 厚生労働科学研究費補助金の概要
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この研究の目的は、10代を中心とする「思春期引きこもり」の実態把握、思春期ひきこもり事例に対する医療的治療と社会的支援を包括した援助システムの開発です。研究は3年計画で、最終年度には、『思春期ひきこもりに対する精神科医療・精神保健・障害福祉分野の実践家用ガイドライン』の編纂が行われる予定だそうです。

ひきこもりの概念については議論の分かれるところでしょうが、この研究からは、精神疾患(統合失調症、神経症、発達障害など)を併存する(と疑われる)ひきこもり者が大変多いことが分かります。

これらの中には、ひきこもる前に精神疾患になったケースもあれば(発達障害はそうでしょう)、逆に、ひきこもった後に精神疾患になったケースもあるだろうと思います。前者の場合、精神疾患がひきこもりの原因になった者も数多く含まれている可能性があります。

ひきこもり者の実態調査はこれまでなかなか進んでこなかったのですが、それだけに、こうしたひきこもり者の実態が、支援者の間はもちろん、一般の間でも知られ、正しい理解が進むとよいです。特に、発達障害に関する理解が深まるとよいです。今後の研究と、さらにはガイドラインの完成にも期待します。

なお、姉妹ブログ「ニートひきこもりJournal 別館」では、報告書内に収録されている11の研究成果について、それぞれ簡単な所感を書いています(といっても、私に学術的な観点からコメントはできず、大した内容ではありません)。

◇ 「地域の専門機関を対象とした不登校・ひきこもり事例の対応に関する全国調査」
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◇ 「ひきこもりを呈する青年の地域生活支援プログラムに関する研究-方法論の検討およびパイロットケースの実施-」ほか
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◇ 「思春期ひきこもりにおける精神医学的障害の実態把握に関する研究」ほか
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◇ 「ひきこもり青年の就労支援に関する研究」ほか
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