健常者と障害者の中間

全国の精神保健福祉センター(ひきこもり相談の窓口)を対象に、ひきこもりに関する支援活動や就労援助等の実態に関するアンケートを実施したところ、寄せられた意見の一部に、次のようなものがあったそうです(原田, 2008)。

軽度発達障害特性の一部との類似性の高いケースが相談数全体の3割を占めている。障害年金や手帳の取得には至らず、特にひきこもりが長期化している場合は就労の方策が立てにくい状況がある。

発達障害を持つが手帳の取得ができない人は、障害者としての就労支援が受けられないため、支援の手段が乏しい。また、社会的ひきこもりについてもジョブコーチのような制度があれば、段階的な就労を試みることができると思われる。

「健常者」「障害者」という言葉がありますが、実はこの中間的な位置(グレーゾーン)にある人もいるのではないかと思います。「軽度の障害者」とも言えそうなこうした人は、健常者と同じ土俵で働くには大きなハンディがある一方、障害者のような支援を受けることができずにいる人もいるのではないかと考えてしまいます。

「働ける人」と「病気や障害で働けない人」の間にも、グレーゾーンが広がっていそうです。努力すれば何とかなるとも限らず、頑張ると悪化する、そういう病気に何年もかかって、社会参加がなかなかままならない人を実際知っています。「働ける人は、働いて自立するべき。だけど、病気や障害で働けない人は保護されるべき」という意見は分かりますが、グレーゾーンの人にも思いをいたしたいものだと、上の意見を読んで考えさせられました。

[文献]

◇ 原田豊, 川口栄, 大塚月子. (2008)「ひきこもり青年の就労支援に関する研究」 『思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究』 (pp. 111-135). 厚生労働省科学研究費補助金こころの健康科学研究事業平成19年度総括・分担研究報告書.

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