在日外国人とニート

平成17年国勢調査を眺めていたところ、「外国人に関する特別集計」を見つけました。これをもとに、在日外国人のニート人口とニート率が求められそうなので、そうしてみることにしました。

在日外国人の労働市場には、日本人のそれとは異なる問題もあるかもしれませんから、こうしたことを調べるのは意義があるものと思います。求めたニート人口とニート率をもとに、色々と考察してみたいとも思います。

■ 方法

ニートを「非労働力人口のうち、家事も通学もしていない15~34歳の者」と定義し、平成17年国勢調査・外国人に関する特別集計をもとに、在日外国人のニート人口とニート率を求めてみました。また、比較のため、ネイティブの日本人も含めた全15~34歳のニート人口も求めました。

このようなニートの定義にしたのは、この定義以外だと、ニート人口の集計が(私には)難しいからです。ただ、この定義には、病気療養中の者、資格試験準備中の者、出入国の準備をしている人等も含まれてしまうという問題がある点に留意しなければなりません。なお、この定義は、厚生労働省の「若年無業者」の定義と同じです。

■ 結果

※ 平成17年平均の結果です。

◇ 全15~34歳人口

15~34歳人口 31,953,884人 そのうちニート人口390,006人(1.22%)

◇ そのうち在日外国人

15~34歳人口673,356人 そのうちニート人口11,474人(1.70%)

ニート人口約39万人のうち、在日外国人は約1万人であることが分かります。また、在日外国人のニート率は1.70%と、全15~34歳人口に占めるニート人口比率1.22%に比べてやや高いことも分かります。

これを国籍別に見ると、以下のようになります。 * * * * * * * * * *

韓国、朝鮮
15~34歳人口131,495人 そのうちニート人口2,368人(1.80%)

中国
15~34歳人口211,798人 そのうちニート人口3,821人(1.80%)

フィリピン
15~34歳人口58,950人 そのうちニート人口854人(1.45%)

タイ
15~34歳人口9,961人 そのうちニート人口212人(2.13%)

インドネシア
15~34歳人口14,205人 そのうちニート人口125人(0.88%)

ベトナム
15~34歳人口13,025人 そのうちニート人口344人(2.64%)

イギリス
15~34歳人口4,523人 そのうちニート人口60人(1.33%)

アメリカ
15~34歳人口14,393人 そのうちニート人口398人(2.77%)

ブラジル
15~34歳人口94,032人 そのうちニート人口1,444人(1.54%)

ペルー
15~34歳人口14,087人 そのうちニート人口315人(2.23%)

その他
15~34歳人口106,887人 そのうちニート人口1,530人(1.43%)

国籍によってニート率に違いがあることが分かります。特にアメリカとインドネシアは、15~34歳人口に大きな差がないのに、ニート人口は3倍もの開きがあります。

■ 考察

◇ ニート率が高めなのは、なぜ?

在日外国人のニート率がやや高いのはなぜなのでしょう。

もしかすると在日外国人は、様々な事情により日本で就職するのは難しく、そのためニート化しやすいのでしょうか。

ニート率のみならず、失業率をも調べると何か分かるのではないと思い、調べてみました。15~34歳の在日外国人673,356人のうち、失業者は30,689人で、失業率は4.56%です。一方、ネイティブの日本人も含めた全15~34歳人口31,953,884人のうち、失業者は1,707,820人で、失業率は5.34%です。つまり、在日外国人は、ニート率はやや高めですが、失業率はやや低めです。

そうすると、在日外国人のニート率の高さは、就労が困難だからではないのでしょうか。もしかすると、在日外国人は、無職になっても求職活動をしない傾向が強いということなのでしょうか。

いや、もしかすると、単に、出入国の準備をしている人が多いからなのかもしれません。

これだけの調査では、結局よく分かりません。

◇ 国籍によってニート率が違うのはなぜ?

同じ在日外国人なのに、国籍によってニート率に差があるのはなぜなのでしょうか。

「ニートになる在日外国人は、きっと先進国の出身者だろ。途上国から来た人たちはハングリー精神があり、ニートにはならないさ」と考える方もいらっしゃるかもしれません。確かに、世界第一の経済大国であるアメリカのニート率は最も高いです。ですが、ベトナムやペルーといった途上国にもニート率が高い国がある一方で、先進国・イギリスのニート人口比率は低め、といった結果も出ています。

また、例えばアジア系のニート率が高くて(低くて)、南米系のニート人口比率が低い(高い)とか、そうした地域による差も、ぱっと見た限り認められません。

なお、国籍別ニート率と、国籍別15~34歳失業率の相関関係を調べたところ、相関係数は0.36でした。失業率との相関関係はあまりなさそうです。

結局、これについても、今のところ私には分かりません。

(以上、この記事終わりです。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。以下は、参考資料です)

[参考資料・国籍別15~34歳完全失業率]

韓国、朝鮮 8.20%
中国 3.33%
フィリピン 4.10%
タイ 4.20%
インドネシア 1.94%
ベトナム 4.72%
イギリス 2.32%
アメリカ 3.47%
ブラジル 4.56%
ペルー 7.11%
その他の国 2.36%



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