「2割の人が8割働いてる」

ある日、親にこんなことを言われました。

「パレートの法則って、知ってる?上位2割が全体の8割を占めるというやつ。我が家も、2割の人(親)が8割働いているわけで、私が働かなくなったら今度はあんたが働くようになる」

うーん、そうなのかなあと思いながら聞いていました。

パレートの法則は、様々なところで用いられています。例えば、国の税収の2割は8割の高額納税者が納めているとか、2割の国民が8割のGDPを生み出している、等々です。

■ 実際、労働力人口の約2割が、所得税収の約8割を収めている

実際のところ、所得税については、35.1%の給与所得者(年間給与額500万円超、約1,360万人)が、所得税収の78.7%(約7兆円)を収めているそうです。また、10.2%の給与所得者(年間給与額800万円超)が、58.2%(約5兆円)と、全体の半分以上の所得税を納めているそうです(ともに、国税庁の平成19年「民間給与の実態調査」による)。

ところで、約1,360万人が所得税収の約8割を納めているとすると、平成19年の労働力人口が6,650万人、15歳以上人口が1億1050万人(ともに労働力調査による)、日本の総人口が1億2776万7994人(平成17年国勢調査による)ですから、次のように言い換えることもできます。「労働力人口の約2割(15歳以上人口の1割強/全人口の1割強)が、所得税収の約8割を収めている」

■ 政府によるニート、ひきこもり対策の是非

こうしたことを考えると、ニート、ひきこもり対策に税金を投入して支援することの是非について、違った見方ができます。政府がニート、ひきこもり対策をする論拠の一つは、彼ら彼女らが働かないと税収が減るということです。しかし、実際は、税収を主に支えているのは一部の高額納税者ではないでしょうか(といっても、ここでは所得税以外の税目で根拠となる統計データを示していませんが)。

玄田有史氏は、先月24日、衆議院の青少年問題に関する特別委員会の中で、「ニート、ひきこもり状態も含めて、就労の最初のステップになるのは、現実的には非正規雇用であります」と述べています。非正規雇用からスタートしたこうした若者の中にも、将来高額納税者になる見込みのある者はいるでしょうが、その割合は多くはないでしょう。

これから先の税収減を憂うのであれば、ニート、ひきこもりの対策もいいですが、高額納税者、もっと言えば、高額所得を稼ぐことができるような人材の育成(エリート育成など)にも、政府は力を入れるべきではないかとも思えるのですが、なにしろ私は財政のことにはあまり詳しくないので、よく分かりません。

ついでに言うと、国のGDPも、もし2割の国民が8割を生み出しているのであれば、将来の経済成長を憂うのであれば、やはりニート、ひきこもりの対策もいいが、エリート育成も、と私には思えてきます。しかし、本当に2割の国民が8割のGDPを生み出しているのかどうかは定かではありません。

※ 一部誤字を訂正しました(5/21/2009)。

スポンサーリンク

トラックバック

URL :

最近の記事
カテゴリー
カレンダー(月別)
09 ≪│2017/10│≫ 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
RSSフィード
本など
「ニート」って言うな! (光文社新書)

若年者就業の経済学
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
心と身体
161位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
12位
アクセスランキングを見る>>
リンク
このサイトについて

このサイトはリンクフリーです。張るのも剥がすのもご自由になさってください。相互リンクは現在募集しておりません。

携帯用アドレスを取得されたい方は、「こちら」をクリックしてください。

このブログのリンク先のご利用につきましては、ご自身の責任のもとでお願いします。なお、本等のリンクについては、Amazon.co.jpのアフィリエイトプログラムを導入しています。

なお、「富条」はハンドルネームです。本名は全く違う名前です。

メールは nhjournal77@yahoo.co.jp まで。