精神的健康-病気の連続体

DSM‐IV‐TR 精神疾患の診断・統計マニュアルアメリカ精神医学会によるDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders;『DSM‐IV‐TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』)というものがあって、あまり専門的なことはよく分からないのですが、日本でも精神疾患の診断などによく使われているそうです。現在のDSMは、DSM-IV-TR(第4版の改訂版)が最新です。

現在のDSMは、患者を多角的に診断する「多軸評価」というものを取り入れています。これには第1軸から第5軸まであるのですが、最後の第5軸は、患者の機能レベルを評価しています。「機能の全体的評定(GAF)」というものです。

GAF(機能の全体的評定)尺度
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精神的健康と病気を連続体と捉えている点が面白いです。私たちはよく、健康と病気を二分して物事を考えますが(「健康なら働くべき」とか)、少なくともこころの健康について言えば、そうした明確な線引きをせず、両者は連続しているという見方もあるのかもしれないと考えさせられます。

なお、ひきこもり者のGAF得点を調べた調査があります(近藤ら, 2009)。これによりますと、平成19年度、および20年度の11月末日現在において、全国5ヶ所の精神保健福祉センター・こころの健康センターで受け付けていた281例の思春期・青年期ひきこもりケースについて、GAF得点は、平均39.2点、標準偏差9.2点だったそうです。高いか、低いか?少なくとも、健康的な人に比べればずっと低いのではないかと思います。ということは、ひきこもり者の状態は、GAF で言うと、精神的健康よりも病気に近いのでしょうか。よく分かりません。

[文献]

近藤直司, 宮沢久江, 境泉洋, 清田吉和, 北端裕司, 黒田安計, 黒澤美枝, 宮田量治. (2009)「思春期ひきこもりにおける精神医学的障害の実態把握に関する研究」『思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究』(pp. 63-77). 厚生労働省科学研究費補助金こころの健康科学研究事業平成20年度総括・分担研究報告書.

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