ひきこもりデイケアの「勝ち組」と「負け組」

思春期ひきこもりに対する評価・援助のためのガイドライン(案)」の中で、斉藤環氏が、ひきこもりデイケアについて述べている箇所があります。

その中に、「グルーピング」という問題に関する記述がありました。

* 以下引用 (斉藤, 2009)*

気の合うメンバー同士が仲良しグループを形成してしまい、それが他のメンバーからは排他的な集団(実際にはそうでなくても)に見えてしまいやすいという問題である。

この結果、活発なメンバーが中心となっているグループと、そこに入れないメンバーとの間に、あたかも「勝ち組」と「負け組」にも似た階層関係が生じ、活発なメンバーはますます活動的に、不活発なメンバーはますますいじけてしまう、といった「二極化」が進みがちである。こうした報告は、デイケアやたまり場の運営者や参加者からしばしば聞かれる。

* 引用終わり *

私が参加しているところに限って言えば、こうした問題はあまり起ったことはないのではないかと、少なくとも私は思っています(私が気づいてないだけなのかもしれませんが)。

それはおそらく、参加者が少人数だからではないかと思います。「3人寄れば派閥ができる」と言った政治家がいたそうですが、少なくとも私が参加しているところでは、そのような少人数で派閥ができることはありません。私のひきこもりデイケアの例を一般化するのは無理があるでしょうが、参加者を絞ると、こうした問題は起りにくいのかな、とも思います。

また、私のところでは、参加者の多くは口には出さないまでも、お互い孤立者を出さないように気を遣っているのかもしれません。何より、同席されている心理士の方が配慮されているのかもしれません。

* * * * * * * * * *

ところで私は、最近、こうしたひきこもり当事者の集まりに参加すると、「ひきこもりの人のようには見えない」「もう元気になった人かと思った」と言われることがあります。たしかに、私は、こうした場ではよく話すし、活発な方で社交的?な方なのだろうかと思うこともあります。

私が原因で、あまり活発に行動できない参加者が疎外感を感じたりしないように、気をつけなければなりません。私だって昔は極端な引っ込み思案で、人とまともに口すらきけなかったのですから。「僕だって、昔はすごい引っ込み思案だった。でも、ひきこもりデイケアに参加し続けて変わった」ということを、色々な人に話しています。

[文献]

◇ 斉藤環(2009)「医療機関におけるひきこもりのグループ活動」『思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究』(pp. 297-298).厚生労働省科学研究費補助金こころの健康科学研究事業平成20年度総括・分担研究報告書.

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