選挙権を行使できないひきこもり

ひきこもりに関連して、このような判例を見つけました。

平成12年6月に施行された衆議院議員総選挙までに国会が精神的原因によって投票所に行くことが困難な者の選挙権行使の機会を確保するための立法措置を執らなかったことは国家賠償法上違法ではないとされた事例(最高裁平成18.7.13.第一小法廷判決)

↓ 裁判所ウェブサイトへのリンクへのリンクです。PDFファイル(139KB)。PDFを閲覧するにはAcrobat Readerが必要です。Acrobat Readerはこちら(新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

判例の全文
(新しいウィンドウで開く)

リンク先の全文を読めば分かるのですが、上告をした人は、ひきこもりの傾向があるとされています。精神発達遅滞や不安神経症があり、大阪府から障害の程度が重度の療育手帳の交付を受けています。斉藤環氏が提唱した「社会的ひきこもり」ではなさそうですが、厚生労働省のガイドラインが定義する「ひきこもり」に該当すると見られます。

「上告人は、精神発達遅滞及び不安神経症のため、いわゆるひきこもりの傾向があり、平成11年3月に養護学校の高等部を卒業後、障害者通所施設に通ったこともあったが、同年夏ころからひきこもりの状態が続き、平成12年初めころ以降、完全に家庭内にひきこもるようになった」

最高裁は、精神的原因による投票困難者にも投票の機会を確保するよう立法措置を促していますが、上告そのものは棄却しています。

「以上によれば、選挙権が議会制民主主義の根幹を成すものであること等にかんがみ(上記大法廷判決参照)、精神的原因による投票困難者の選挙権行使の機会を確保するための立法措置については、今後国会において十分な検討がされるべきものであるが、本件立法不作為について、国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などに当たるということはできないから、本件立法不作為は、国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受けるものではないというべきである」

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