米国で急増する「ディスカレッジド・ワーカー」

失業しているにもかかわらず、求職活動をしていない人のことを「働く意思がない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、失業していて、求職活動もしていないものの、実は働く意思はあるんだという人もいるはずです。

こうした人のうち、特に、適当な仕事がありそうにないと考えているため、求職活動を行っていない人のことを、専門用語で discouraged workers と言います。日本では「求職意欲喪失者」「就業意欲喪失者」などと訳されます。単に「ディスカレッジド・ワーカー」と呼ぶこともあります。

日本で言う「ニート」とも重なる部分があります。

この discouraged workers ですが、いまアメリカで急増しています。Bureau of Labour Statistics(労働省労働統計局)の発表によると、今年8月の全米の discouraged workers の数は76万人で、前年同月(38万人)に比べると倍の数字だそうです。

この短期間でなぜこれほどまでに増えたのか、はっきりしたことは私には分からないのですが、おそらくは2007年12月から始まる景気後退により、雇用情勢が厳しさを増したことが大きな原因ではないかと思います。完全失業率も、2009年8月は9.7%で、前年同月(6.2%)に比べて大幅に悪化しています。

一方、日本では、最新の統計を見る限り、discouraged workers はさほど増えてはいません。総務省「労働力調査」によると、2009年4~6月の非労働力人口のうち、「適当な仕事がありそうにない」ため求職活動を行っていない者の数は163万人で、前年同時期(151万人)に比べるとやや多いものの、アメリカのような急激な増加ペースではありません。なお、日本の完全失業者数は、2009年4~6月が5.2%で、前年同時期は4.0%です。

アメリカと日本で discouraged workers の増加ペースになぜこれほど大きな差があるのか、私には分かりません。

[追記]

discouraged workers の絶対数ですが、日本の方がアメリカよりも多いです(163万人と76万人)。こちらもなぜか分かりません。

[関連ページ]

◇ 非労働力人口の中の就業希望者の日米比較(平成7年労働経済の分析より)
(新しいウィンドウで開く)

↑ 「厚生労働省ホームページ」へのリンクです。discouraged workers の日米比較です。

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