ひきこもる前の自分のイメージが仇に

私は、もともと自分には能力がきわめて乏しいと自覚していました。

とはいえ、全く何もできない、完全な無能力でもないと思っていました。例えば、私は高校、大学に進学し、それぞれ3年、4年とストレートで卒業しています。ですから、少なくとも高校や大学に進学し、卒業できるだけの基礎的な自己管理能力、忍耐力、学力、体力等は持っていたはずでした。大学卒業後は長らくひきこもるようになったため、現在はこうした基礎的な能力すら衰えてしまったでしょうが、まだある程度の能力はあるだろうと思い込んでいました。

しかし、最近、こうした基礎的な能力の衰えが、自分が想像していた以上ではないかと感じるようになりました。これは、他者から指摘されたり、職業体験を積んだりして気づくようになったことです。このことについて、とある支援施設の方がなかなか面白い例えをされていました。「しばらく運動をしていなかったお父さんが子供の運動会に参加したところ、若い頃のイメージこそ頭にあっても、身体がついていかなくてあれっということがよくある」

「本人が思う自身の就労能力と実際の能力のギャップが大きい」「相談者の認識と現状に差があるが、それを理解していない」-全国のハローワーク等の就労相談・支援機関を対象としたアンケート調査で、ひきこもり者の就労支援を受けてどういったことで困るか尋ねたところ、このような回答が含まれていました(原田, 2009)。自分の現状すら突き放して把握できないひきこもり者は、私のほかにどれほどいるかは分かりませんが、もしひきこもりの人で社会参加を考えている人がいれば、老婆心ながら、念のためご注意を。

[文献]

◇ 原田豊, 川口栄, 大塚月子. (2009)「ひきこもり青年の就労支援に関する研究」『思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究』(pp. 137-159). 厚生労働省科学研究費補助金こころの健康科学研究事業平成20年度総括・分担研究報告書.

[関連ページ]

◇ 「ひきこもる前の自分のイメージが仇に」の補遺ニートひきこもりJournal 別館

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