ニート人口64万人は「年平均」

ニートは2008年で64万人いるとか、2007年は62万人だったとか、そういう話をときどき耳にします。おそらくその数字の出典は、多くの場合、厚生労働省の推計だろうと思います。

厚労省は、非労働力人口のうち、家事も通学もしていない15~34歳の者を「若年無業者」(≒ニート)と定義し、その数を総務省統計局「労働力調査」をもとに集計し、「労働経済の分析」などの中で発表しています。この「若年無業者」の数字が、ニート人口64万などとしてよく引き合いに出されるわけです。

ただ、白書等をよく読めば分かるのですが、この64万人や62万人といった数字は、実はその年の平均値です。この点は、見落とされがちではないかと思います。

以前にもこのブログで書いたことがあるのですが、若年無業者の人口は月によってかなり変動があります(「ニートは3月に急増?」参照)。ちょうど先日、総務省統計局「労働力調査」12月分の発表があったので、それをもとに、2008~2009年の若年無業者人口の月別推移を見てみました。

2009年12月 67
2009年11月 60
2009年10月 53
2009年9月  49
2009年8月  64
2009年7月  64
2009年6月  60
2009年5月  58
2009年4月  57
2009年3月  88
2009年2月  64
2009年1月  63

2008年12月 61
2008年11月 58
2008年10月 65
2008年9月  57
2008年8月  63
2008年7月  67
2008年6月  50
2008年5月  57
2008年4月  61
2008年3月  98
2008年2月  62
2008年1月  59

単位:万人。「15~24歳」と「25~34歳」を合算して求めましたが、端数処理の関係で、数字が1~2万人程度ずれている可能性があります。

ニートは2008年で64万人と言われていますが、3月だけを見てみると、100万人近くにも達していることが分かります。「いまニートは60数万人いる」という言い方には、少し注意した方がよいかもしれません。

もっとも、そもそもニート人口を「非労働力人口のうち、家事も通学もしていない15~34歳の者」という定義から近似的に求めようということ事体、問題があるのではないかと思います。これだと、身体障害や精神障害などがあって働けない人とか、刑務所で服役中の人とか、実に様々な人がニートに含まれます。私などは、そもそもニートとはどういう人のことを言うのか、分からなくなってきます。

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