NEET支援の費用対効果(英)

NEET という言葉が生まれたイギリスで、今月、会計検査院(Audit Commission)が Against the odds - re-engaging young people in education, employment or training - と題する、NEET支援 に関する報告書を公表しました。

報告の概要は、BBCThe GuardianDaily Telegraph などいくつかのメディアで報じられました(ただし、電子版で確認)。16-18歳の若者の4人に1人は、2年間のいずれかの時点でNEETを経験するといったショッキングな書き方がされています。

※ イギリスで言う NEET と日本のニートは意味が異なります。イギリスで言う NEET とは、字義通り、教育、雇用、職業訓練、いずれにもない(Not in Education, Employment or Training)状態の若者のことを指します。このため、日本ではニートに含まれない職探しをしている完全失業者も NEET に含まれます。また、年齢層も16-18歳と(19歳を含むこともあり)、日本の15-34歳に比べると低い年齢層を対象にしています。

報告書を読んで驚いたのが、NEET の若者を支援することによる費用対効果が具体的に検討されていたことです。NEET の若者の存在が政府の財政上いくらのコストになり、そして、そうした若者に政府として介入を行うことによりどれだけのコストを削減できるかといったことが、具体的な金額として明示されています。これは、会計検査院の報告書だからこそなのでしょうか。

イギリスは緊縮財政や付加価値税増税など財政再建に力を入れていますが、そうした中 NEET 支援を行うことにより財政コストはむしろ減るのだという報告書の主張をそのまま受け取ると、財政難だからこそ、むしろ NEET 支援は行うべきなのだろうかと思えてきます。

セーフティーネットや福祉といった問題は、必ずしも費用対効果だけでその必要性を論じることはできないかもしれません。ただ、公的な NEET支援の必要性を「困っている若者には手を差し伸べるべき」と理念で主張されるよりも、こうした費用対効果の試算を示された方が説得力があるとは思います。それも財政難の時期なら、なおさらです。

ただ、この報告書の試算が妥当なものかどうかは、私には判断できません。

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