民生委員

最近新聞やニュース等で民生委員という言葉をときどき目にします。この民生委員、実はひきこもりやニートに関する活動を行うこともあるのですが、私はよく知りませんでした。

そこで、自分自身の勉強も兼ねて、簡単にまとめてみました。

■ 民生委員について

まず、民生委員とは一言で言うと、「社会奉仕の精神をもつて、常に住民の立場に立つて相談に応じ、及び必要な援助を行い、もつて社会福祉の増進に努めるもの」のことです(民生委員法第一条)。

詳しくは、厚生労働省のウェブサイトに分かりやすい説明があります。

↓ 厚労省HPへのリンクです。
民生委員・児童委員について新しいウィンドウで開く

民生委員は、比較的高齢の人が多いようです。名古屋柳城短期大学の柴田益江教授は2008年、I市の民生委員195人を対象に、高齢者虐待についてアンケートを行い、全体のほとんどにあたるあたる173人(88.7%)から回答を得たのですが、回答した民生委員の年齢層は60歳代が最も多かったのだそうです(86人、52.1%)。なお、男性は83人、女性は82人で、男女差はほとんど見られませんでした(柴田, 2008)。ただし、これはあくまでI市の例で、地域によっては違いもあるでしょう。

■ 民生委員とひきこもり、ニート

上述の通り、民生委員は、ひきこもりやニートに関する活動を行うことがあります。

地域にもよるのですが、例えば、泉佐野市では若者を状況に応じて地域の就労支援センターへ誘導したり(大阪府, 2010)、大阪府ではひきこもりのネットワーク会議に民生委員の代表者が参加したりしています(大阪府, 2006)。また、泉南市では地域のニートの実態を把握するための若者自立塾による調査に、民生委員が協力した例もあります(泉南市, 2010)。様々な自治体の議会の会議録を読むと、民生委員単体で活動するのではなく、関係機関と連携を組む必要を考えている自治体があることがうかがわれます。また、ひきこもり、ニート問題に対応できるよう、民生委員を対象とした若者支援に関する研修も、各地で行われています。

ひきこもりやニートと民生委員についての話題で有名そうなところでは、民生委員の3割が、ひきこもりやニートの若者の存在を把握していたという沖縄県で行われた調査です。下の記事からは、上で挙げた例とは違い、支援の必要性を感じつつもそれができず戸惑っている民生委員の様子が読み取れます。

↓ 琉球新報へのリンクです。
「ニート」「引きこもり」 民生委3割「いる」新しいウィンドウで開く

■ 私は直接お世話になったことがない?民生委員 * * * * * * * * * *

私はこれまで色々な地域に住んできましたが、民生委員と直接関わった覚えは全くありません(忘れている、気づいてないだけかもしれませんが)、また、民生委員のお世話になったという人の話も聞いたことがありません。こういうものなのでしょうか。

特に我が家は、私のひきこもりに限らず昔から様々な問題があり、いつ民生委員にお世話になってもおかしくなさそうな状況だったのですが、それにもかかわらず民生委員とは関わりがなく、不思議です。おそらく私の親がプライバシーに敏感なので、家庭内の問題を民生委員に話したくないと考えてきたのではないかと思います。もちろん、民生委員には守秘義務はあるのですが(民生委員法第十五条)、このようにプライバシーに敏感な家庭が多くなると、民生委員の活躍の場は狭まるだろうと思います。

[文献]

◇ 泉南市(2010)平成22年第1回泉南市議会定例会継続会(3月5日開催)における、山野豊市民生活環境部長の答弁。泉南市議会会議録より。
◇ 大阪府(2010)平成22年2月定例会商工労働常任委員会(3月12日開催)における、讃岐富男雇用対策課長の答弁。大阪府議会会議録検索システムより。
◇ 大阪府(2006)平成18年2月定例会健康福祉常任委員会(3月15日開催)における、野田哲朗障害保健福祉室精神保健福祉課長の答弁。大阪府議会会議録検索システムより。
◇ 柴田益江(2008)「愛知県I市における民生委員に対しての高齢者虐待の調査から」『名古屋柳城短期大学研究紀要』30, 63-71. http://ci.nii.ac.jp/naid/110007037819←国立情報学研究所のサービスCiNiiへのリンクです。本文読めます。


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