中年ニート1 〜衝撃!働かない中高年も増えている!?
(http://blog.goo.ne.jp/mpnet/e/
fec609f3b921f8c27bdca7dd91077ef0)
* 以下引用 *
実は、若者人口に対するニート比率と、大人世代の人口に対するニート比率にはほとんど差がないそうです。つまり、若者のニートは100万人(!?)とかいわれますが、年齢を上にしても、それくらいのニートの定義にあてはまるひとはたくさんいるわけです。同じように苦しんでいるわけです。
* 引用終わり *
なんと、若者よりも上の世代にも、働いていない人たちが若年層と同じぐらいの割合でいるというのです。
これは非常にショッキングな記事です。これまでほとんどのマスコミは、あたかも働いていない者が多いのは若者だけ、ともとれる報道をしてきました。ほとんどの政治家や役人、民間のシンクタンクや大学の研究者、テレビのコメンテイターや芸能人、八百屋のおやじや専業主婦、果てはニート本人やその親にいたるまで、無業者の問題は若者だけの問題と考えていたような感があります。しかし、工藤氏は、これは若者だけの問題ではないのではないかと主張しているのです。こんな重要な記事が、誰にもトラックバックされないまま何ヶ月も埋もれていたとは、信じられません。
そこで、私、いつものように統計を追って調べてみました。別に工藤氏を疑っているわけではないのですが、きちんと数字で確認しないと気が済まないのです。
[ お先に結論 ]
今回は厚労省の定義にもとづいて見ていますが、無業者は若者だけの問題ではないことが明らかになります。他の年齢層では働いていない者の割合は若年層以上に多く、しかもその割合は年々増加しているのです。
■ 最新のデータで見る、働いていない35歳以上の人口
厚生労働省は、ニート(正確には若年無業者)を次のように定義しています。「年齢15〜34歳に限定し、非労働力人口のうち家事も通学もしていない者」(『労働経済の分析』154ページ)。厚労省はこの定義にしたがって、総務省統計局がまとめた労働力調査の結果(全国平均)をもとにニートの数を算出しています。
この計算方法をもとに、年齢階級別の無業者の数と、人口と構成比を独自に算出してみました。
表1 平成16年における若年無業者の数とその構成比(単位:万人)
| 年齢階級 | 人口 | 無業者数 | 構成比(%) |
| 15〜24歳 | 1,457 | 27 | 1.85 |
| 25〜34歳 | 1,862 | 37 | 1.99 |
15〜34歳全体で、無業者(ニート)の数は64万人になります。この数字は、厚労省の公式見解と一致します。
では、ここからが本番です。同じ計算方法で15〜34歳より上の年齢階級の無業者の数を算出してみます。
表2 平成16年における15〜34歳を除く無業者の数とその構成比(単位:万人)
| 年齢階級 | 人口 | 無業者数 | 構成比(%) |
| 35〜44歳 | 1,650 | 31 | 1.88 |
| 45〜54歳 | 1,731 | 42 | 2.43 |
| 55〜64歳 | 1,812 | 215 | 11.87 |
| 65歳以上 | 2,478 | 1,483 | 59.85 |
衝撃の事実です。35〜44歳で31万人、45〜54歳で42万人が、若者で言えばニートの状態なのです。15〜34歳の無業者数が64万人なのに対し、35〜54歳の無業者数は73万人。絶対数では、35〜54歳の無業者数の方が多いのです。
構成比で見ても、35〜44歳では1.88%と、若者のそれと同水準です。特に45〜54歳は、無業者の構成比が2.43%と、若者の1.5倍にも達しています。大橋巨泉のように、セミリタイアでもしてるんでしょうか。
働いていないのは、若者だけではなかったのです。
■ 無業者人口の推移
今度は、無業者人口の推移を見てみましょう。15〜34歳の若者の場合、無業者は増加傾向にあると指摘されているのですが、他の年齢階級ではどうなのでしょうか。同じように、総務省統計局の労働力調査をもとに見ていきます。
表3 平成15年における年齢階級別無業者の数とその推移(単位:万人)
| 年齢階級 | 人口 | 無業者数 | 構成比(%) |
| 15〜24歳 | 1,493 | 28 | 1.88 |
| 25〜34歳 | 1,883 | 36 | 1.91 |
| 35〜44歳 | 1,625 | 28 | 1.72 |
| 45〜54歳 | 1,808 | 41 | 2.27 |
| 55〜64歳 | 1,731 | 199 | 11.50 |
| 65歳以上 | 2,422 | 1,422 | 58.71 |
| 年齢階級 | 人口 | 無業者数 | 構成比(%) |
| 15〜24歳 | 1,529 | 29 | 1.90 |
| 25〜34歳 | 1,896 | 35 | 1.85 |
| 35〜44歳 | 1,595 | 28 | 1.76 |
| 45〜54歳 | 1,894 | 43 | 2.27 |
| 55〜64歳 | 1,662 | 192 | 11.55 |
| 65歳以上 | 2,350 | 1,356 | 57.70 |
| 年齢階級 | 人口 | 無業者数 | 構成比(%) |
| 15〜24歳 | 1,573 | 21 | 1.34 |
| 25〜34歳 | 1,907 | 28 | 1.47 |
| 35〜44歳 | 1,576 | 23 | 1.46 |
| 45〜54歳 | 1,954 | 42 | 2.15 |
| 55〜64歳 | 1,615 | 173 | 10.71 |
| 65歳以上 | 2,261 | 1,246 | 55.11 |
| 年齢階級 | 人口 | 無業者数 | 構成比(%) |
| 15〜24歳 | 1,617 | 21 | 1.30 |
| 25〜34歳 | 1,871 | 23 | 1.23 |
| 35〜44歳 | 1,586 | 21 | 1.32 |
| 45〜54歳 | 1,938 | 38 | 1.96 |
| 55〜64歳 | 1,643 | 172 | 10.47 |
| 65歳以上 | 2,180 | 1,192 | 54.68 |
「無業者数」よりもむしろ、「構成比」を見ていただきたいのですが、若者だけでなく全年齢階級で無業者の割合が増加傾向にあります。例えば平成12年では、35〜44歳に占める無業者の数は1.32%ですが、平成14年で1.76%、平成16年で1.88%にまで上昇しています。
働いていない者の割合は、15〜34歳の若者だけでなく、前年齢層で増加していたのです。
■ むすび
厚労省の定義と計算方法にもとづいて、すべての年齢階級の無業者数とその割合の推移を見てきました。「働かない若者が増加!」と言う人もいますが、「働かない中高年も増加!」という結果です。
ただ、これだけでは私は不十分ではないかと考えています。若年無業者(≒ニート)の定義と計算方法は、厚労省と内閣府とで違いがあるからです。来週あたり、今度は内閣府の定義と計算方法にもとづいて見てみることにします。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。よろしければ、人気blogランキングへ1票お願いいたします。人気blogランキングへ
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コメント
- な、なんと
- これは驚きですね。私も実際ニートの立場ですが、てっきり若年ニートが多いのだとばかり考えていました。35歳以上にもニートのような人は多いのですね。
最近、よくニュースで事件をみたりしていますが、確かに35歳前後の男性で無職というのが多いなと思っていました。30代で無職方って結構多いのだなと感じていました。
よく働く日本人から働かない日本人が増えるというのは本当のことなんだなと実感してきましたね。
- 面白いです。
- 無業者の割合が年々増加している数字を見ていると、
世の中の何かを暗示しているようでとても興味深いです。
ちなみに、自分の知り合い(40代)に中年ニート?がいます。
知り合いの知り合い(30代)にも、ニートな状態の人がいます。
なので、案外、若くなくてもニートって多いのかな、とは思っていました(^^;
というか、以前から無職の人は存在していた筈で、
それがニートという集団として見られるようになった、
というのがやっぱり大きいと思います。
- 武蔵さん、ありがとうございます。
- 武蔵さん、コメントありがとうございます。私も若年ニートのことばかりに頭がいっていたので、これにはビックリしました。
厚労省のニートの計算方法と同じように、総務省統計局の労働力調査をベースにして、非労働力人口から家事や通学をしている者の数を引いたら、こんな結果になりました。
ただ、これだけだと私としては、まだ確信がもてません。
内閣府は、たしか労働力調査ではなく国勢調査をベースにニート人口を算出していたと思うので、来週あたり、そちらも見ていけたらと思っています。内閣府の計算方法でも同じような結果が出るかどうか。私もまだ計算していませんから、分かりません。
ニートは一般に、15〜34歳の若者という年齢制限のようなものがありますが、たしか玄田有史氏は、この年齢はフリーターの定義に合わせたと言っていたと思います。
- yusaさん、ありがとうございます。
- yusaさん、コメントありがとうございます。
ニートには一般に15〜34歳という年齢制限のようなものがあるので、私がタイトルで使った「中年ニート」なる言葉はおかしいんですけれどね。(^_^;
「ニート」という言葉が登場したことにより、幸か不幸か、失業者でもフリーターでもない若者の存在が注目を集めることになりましたが、35歳以上の無業者については相変わらず盲点になっているようです。私の少ない交友範囲でも、35歳以上の無業者が二人います。以前は働いていた人たちです。
昔からある言葉で、「縁辺労働力」という言葉があります。雇用情勢が悪くなって希望の仕事がないような状況になると、職探しを諦めるような人たちのことを言います。一見ニートと似ていますが、主に主婦について使われる言葉のようです。普段は家事をして、景気がよくなったら働くと。
- 補足です。
- 以前から無職の人は〜のくだりですが。
もともと中高年も若者と同じくらいに無業者がいること、
そしてその割合がすべての年齢層で増加していて、決して若者だけではない、ということが失業者でもフリーターでもない15〜34歳の「ニート」という集団の言葉を通して理解することができました。
・・・というようなことが言いたかったのです。
寝かけながら書いていたせいか、今見たら
自分でもよくわからない日本語でした・・・。すみません(^^;
内閣府をもとにした計算も、期待してますね(^^
- いえいえ。(^−^)
- 私もときどき人様の文章を誤解して読んでしまう悪い癖があります。お気になさらず。
以前から、働いていないのに失業者にカウントされない人たちがいる、という問題が指摘されていました。日本の失業率は低く出やすいとか、そうでないとか。そういった人たちも、きちんと数字で把握されるといいのにな、などと思っていたところ、ニートという言葉が登場しました。今のところ、若者限定の言葉ですけれどね。
しかし、実際にニートという言葉で把握されるようになると、偏見がついてまわるようになって、どうしたものかと思っています。
- 求職中の中年(就職したくても出来ない人)と、
就職する気の無い若年層、
ごっちゃにするのは乱暴ですよ。
- コメントありがとうございます。
- ここでお話している、増加傾向にある「中年ニート」は、求職活動をしていません。
求職活動中の方々は完全失業者であり、労働力人口に数えられます。この記事で扱う「中年ニート」は、非労働力人口で家事も通学もしていない方々です。
- 35歳以上の求人は皆無です。
リストラされたら一巻の終わり。
- 名無しさん第7743号さん、コメントありがとうございます。
- 中高年の労働市場については私は詳しくはないのですが、求人がなければ、職探しをする人も皆無でしょうね。
- うちの兄もいわゆる中年ニートです。仕事探す気が全く無いようです。
学校を卒業してから就職はしましたが3年で辞めてしまってそれっきりです。
多分会社で何かあったのでしょう(人間関係)。しかしこれを解決しなければ先に進めません。
- 鉄人29号さん、コメントありがとうございます。
- ニートやひきこもりの人たちの間では、「25歳」という数字がときどき問題になります。25歳を超えると、働き口がぐんと減り、社会参加への道が狭まるということらしいです。
ある程度の年齢になり、履歴書のブランクも長くなると、そもそも仕事を探しても無駄ではないかとか、自分を雇ってくれるところがあるとしてもブラック企業ぐらいだろうとか、そう考える方がいらっしゃいます。憶測で失礼かもしれませんが、お兄様にも、もしかしたらそういう考えも一部にあるかもしれません。
なんとか先に進みたいですね。
- 中年職ですが、ニートではなく、蓄財を切崩し、
祖父と両親3人の介護をしながら生活しています。
90年代の大量リストラを世間は忘却しているようですが
あの時もっとも大量に切られたのは団塊世代以下の、
現在40代の世代です。
そして実に30代半ばの時から仕事を探してもちょうど
この年代をスポイルする形で年齢制限を設けている
現状に否応無く無職に追い込まれた同年代が大量に
います。
その90年代は現在のように労働者を保護する法も無
く、泣き寝入りした人ばかりなのです。
私が知る限り少なくとも上場企業に勤務していた殆どの
リストラされた人は企業の不正を把握していた人や、上司の不正を知っていた者、または単に敵対派閥であったなど、職務遂行能力とは全く関係のない部分で選別さ
れていたと言う事を強く申し上げたいと思います。
又これはいわゆるバブル世代のことではありません。
- 20080226です。
冒頭の「中年職」は「中年無職」のタイプミスです。
失礼しました。
- コメントありがとうございます。
- 貴重なお話ありがとうございます。労働市場はなかなか柔軟ではなく、リストラの対象にされても年齢制限等により、労働力が円滑に移動できるとは限りません。
>私が知る限り少なくとも上場企業に勤務していた殆どのリストラされた人は企業の不正を把握していた人や、上司の不正を知っていた者、または単に敵対派閥であったなど、職務遂行能力とは全く関係のない部分で選別されていたと言う事を強く申し上げたいと思います。
これは大変理不尽なことだと感じました。



