ニート、ひきこもりに踏み込んだ青少年条例

青少年の健全育成に関する条例は、ほとんどの都道府県にあります。条例の内容は各都道府県で多少違いがありますが、どれもおおむね同じような内容です。有害図書や有害広告に関する規定があったり、最近では、インターネットの利用環境に関する規定などが盛り込まれたりしています。

石川県の「いしかわ子ども総合条例」は、名称もさることながら、ひきこもりやニートについて触れているという点で独特です。私はすべての都道府県の上記条例に目を通しましたが(間違って改正前の条例を読んでたかもしれませんが……)、ひきこもりやニートについて書かれてあるのは石川県のものだけです。

まず、前文に「ひきこもり」「ニート」という言葉が登場する上(この種の条例に前文があること自体珍しいです)、こうした若者が増えた背景についても述べられています。

子どもは、自ら伸びていく力を持っている。そして、その力は、様々な多くの人との関わりの中でこそはぐくまれるものである。かつて、子どもには血縁や地縁によって多くの人が関わりを持ち、そのことが子どもの健全な心身を養い、自立した大人に成長することを支えていた。

しかし、近年、都市化や核家族化に伴って人間関係が希薄化し、家庭の内においても、また家庭の外においても、子どもに関わる人の手が少なくなった。

そのため、子どもが良好な対人関係を築く力を十分に身に付けることができないまま成長し、家庭、学校、地域など様々な社会の中で疎外感を覚え、自己の存在を過小評価するなど、子どもの心身の健やかな成長を阻害する状況が見られるようになった。そして、同様の現象は、次代の親となる若者、さらには子どもを養育する親にまでひろがっている。いじめ、ひきこもり、ニート、虐待などの社会問題は、いずれもこうした地域社会における人間関係の希薄化と密接に関係している。
(以下、略)

さらに第三章は「若者の自立に向けた支援」という内容です。特に第64条では、フリーター、ニート等の若者への就労支援について明記されています。

※ この条例は「子ども」という言葉を冠していますが、実際には35歳未満の若者も視野に入れています。

(就労形態が不安定な若者等に対する就労支援)
第六十四条 県は、フリーター、ニートその他の就労形態が不安定な、又は就労することに様々な困難を抱えている若者等が自立した生活を営むことができるよう、これらの者の就労を支援するための施策の推進に努めるものとする。


また、第61条、第62条も、フリーターやニートを意識したと思われる内容です。

(就業体験等)
第六十一条 県は、青少年に対し、就労意識の醸成を図るため、中学校、高等学校等の生徒を対象とした職場見学、就業体験等の実施に努めるものとする。

(若者等の就労意識の形成等)
第六十二条県は、青少年又は若者(以下この章において「若者等」という。)に対し、就労意識の醸成、職業設計及び職業選択が適切になされるよう、職業に関する講話、研修等の実施に努めるものとする。


こうした条例があるとは知らず、ちょっと驚きました。また、石川県だけというのも驚きました。こうした規定は、今後全国に広まるのでしょうか。

なお、この条例は、小中学生に携帯電話を持たせないよう保護者に努力義務を課しており、これは全国でも初めてだとして、話題になりました。

[関連リンク]

◇ いしかわ子ども総合条例新しいウィンドウで開く

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